ICT経済の中にも景気循環は観察される。
それが最近短くなっているのではないかという仮説がある。昔はITによって在庫管理が行き届くようになり、景気循環は限りなく小さくなるということが言われた時期もあったが、それほど小さくなったわけでもないようだ。しかしITが普及した今日を過去と比較してみると、景気循環は明らかに異なるようだ。
そこで誰でも考えるのが、景気循環は果たしてどのようなモデルで説明できるであろうかということ、そしてそのモデルで計測したとき、景気循環のサイクルは果たして統計的に有意といえるほど異なってきているのであろうかということ・・・問題設定あってますか?
そこでこれまでどういう分析が行われているのだろうと文献を漁っていたら、下記の文献が目に留まった。
景気循環と景気予測 浅子 和美 福田 慎一 東京大学出版会 2003-07 by G-Tools |
目次を見てみると、関係しそうな章がいくつかある。例えば・・・
- 第4章:景気循環:理論と予測の間
これなんかドンズバって感じだけど、どうなんだろうか。時系列分析になるのかもしれないので、自分の志向とは異なるけど、これも勉強と思ってしばらく追ってみようと思う。
実はある研究者の方から興味深い示唆は受けているのだが、それを考える前にそもそも景気分析は今までも行われてきたはずと気がつき、ちょっと調べてみた次第。さてどんな分析ができるのだろうか・・・ちょっと見たら、新古典派的な動学モデルやら単位根だとか共和分だとかの用語が出てくる。
さてどのようなことが書いてあるのだろうか・・・これからしばらく追ってみようと思う。
こういう本もあったことを追記しておきます。
日本経済の構造変化と景気循環 浅子 和美 東京大学出版会 2007-07-25 by G-Tools |
この本だと次のしょうがまず関心を引きます。
- 第6章:在庫循環図のモデルと計量分析
マクロ経済の諸変数の短期的な動きを表している景気循環あるいは景気変動を分析するには、当然、月次や四半期のデータを利用することになるし、短期の中での動きなのでいろいろな世の中の出来事に影響を受けることになる。そのような景気という経済の動きを細かいデータを使いモデルで検証しようとするのだから、そう簡単ではないですね。
もしかしたら残差≒モデルで説明のつかない部分の分析が鍵かもしれないです。