6月後半に一度お邪魔しているが、その時以来のふくべさん。今回は、緊急事態宣言が4度目のとなりそうだという噂を聞き、これは宣言が発せられる前に一度行っておかないとということでお邪魔した。
さっと行ってさっと帰ってこようと思い、早めの時間にお邪魔する。それでも店内には3名ほどの先客があり、自分はカウンターの入り口に近い方に陣取った。着席したらあとは慌てることはない。いつものセッティングができるまで待ち、それができたら最初の酒を頼む。
今回は、北島。当然、ぬる燗でいただく。北島は結構個性のある酒だ。存在感がある。今日はこれから始まった。その後は、呉春、群馬泉、菊正宗樽酒といただき、もう一本ぐらい飲んだかもしれない。美味しいお酒を堪能させてもらった。
今回のつまみは最初少し贅沢させてもらった。刺身の三点盛だ。まぐろぶつ、イカ、タコのオーソドックスな組み合わせだが、やはり日本酒には刺身が合う。タコはタコの、イカはイカの歯応えを楽しみながら、酒を舐める。そしてマグロ、美味しいねえ。
「ふくべから 沸いて出る酒 金の色」・・・徳利から注がれる酒は、どちらかと言えば、無色透明に近いが、呑助にとっては、まさしく金の色に見える。それぞれの個性のある酒をゆっくりと楽しむ。その間にカウンターに座る酔客たちの話に耳を傾ける。
今回は、話を伺っているとどうも八重洲のご老人とふくべの常連さん(今は神奈川に住む)の会話のようだった。大磯という地名が出てきたのにはびっくりしたが、世間は狭いものである。そのご老人、いい感じの方で自分にも話しかけてくれて、昔の話をしてくれる。こういう話は酒を呑みながら聞くのにちょうどいい。
そしてつまみは進む。次は最近すっかり定番になった生揚げだ。これが美味しいんだ。お腹にもたまるし、日本酒に合う。美味しくいただいた。
それからサービスで出していただいた塩辛。これもまた酒が進む。家ではまず食べることはないが、居酒屋で呑むときには結構食べることが多い。これも日本酒の味を引き立てる。
そしてやはり最後は、鯵の干物。焼きたて熱々を供してくれるので、身離れもよく、美味しく食べられる。
ひょいと裏返し、背骨を外し、まずはその背骨に着いた身をこそぐようにいただく。ここが一番美味しいところだ・・・と思う。そしてほろほろとほぐれる身を一口大に箸でつまみ、口の中に・・・鯵の旨味が口一杯に広がる。そこに注がれる日本酒。いいねえ。
そうこうしているうちにあっという間に1時間以上がすぎる。1時間をすぎると自分にとっては飲み過ぎだ。次回来るのは8月の下旬になるのか・・・と思いながら、店を後にしたのだった。
ごちそうさまでした。