吾輩はミステリー好きであるが、最近はめっきりその手の本を読んでいない。まあ、日本経済の将来とか、今のデータ経済の世界を分析している本や論文を読んでいるとよっぽどミステリーだがw
今回、読了したミステリーは、オカルトミステリーという一冊・・・なのだが、自分としては、京都が舞台になっていて、しかも一度しか行ったことがないものの、すごく思い入れがあって、かつ、一度行った時の感じがものすごく良くて、その店が(仮名ではあるが)出ているというのだから読まずにはいられないというところ。
著者の鉄春魚氏なのだが、その居酒屋さんの常連さんらしい。自分は会ったことはない・・・そら当然だろう・・・一度しか行ったことないのだから。ぜひ、次回、行ったらお会いしたいものだ。その時、一筆もらえるように関西に行くときはこの本は必ず持参することとしたいw
このオカルトミステリーの凄さはやはりお酒を飲んでいる時、二日酔いの時の描写が秀逸なところだ。もうねえ、出だしから二日酔いの描写だから、読んでて二日酔いになっちまいましたよ。お酒に対する愛を感じたりもする。
店主がブログに書いているのでいいのだろうと思うが、この小説の面白さはオカルトミステリーの本筋もあるが、この居酒屋を中心とした(というと言い過ぎかもしれないが)京都のある一角の描写が秀逸なところだろう。
僕はその中の1軒、Sake Cafe ハンナしか知らないのだが、しかも1回しか行ったことないのだが、それだけでも十分楽しめる内容だ。そう、本書を読むなら読む前にハンナさんのお店に行って、美味しいお酒とあての数々を堪能してからがいいと思う。
自分自身は、何回も書いている通り、ハンナさんのお店には一度しか行ったことないので、この著者の方も知らないし、他の登場人物の方も知らない。ましてやマサキさんが誰かなんて知る由もない。
京都もそんなに回数行ったことはない。実際、京都の街の複雑さが分からず、初めてハンナさんのところに行った時はバスを乗り間違え、かつ、ハンナさんのお店へ続く細い路地に行き着いた後も店の前を通り過ぎるという・・・ハハw
それで、ハンナさんのお店を中心に京都のとある場所を知っている人にはたまらない小説なのだと思う。そして描写がまたいいんだ。一度しか行ったことがない僕でも思わずニンマリしてしまうような描写が何ヵ所か出てくる。もちろんお店の中の描写だが、もうねえ、たまらん小説だよ。
ストーリーとしては、小さいオカルトミステリーから、大きなオカルトミステリーに、そこに男女の淡い思いが描かれる・・・1人の男を中心にその周りにいる京都に棲む人間が巻き込まれているものだ。そしてみんな暖かいのがいい。
r.gnavi.co.jp不思議なんだけど、オカルトミステリーと言いながら、そんなにめっちゃ怖いことはない。おどろおどろしい描写もあるのだが、酒を飲んだ時の酔い心地がそれを全て柔らかくしてくれるって感じか。それで、京都の地名がいろいろ出てきて、街を知っているとさらに興味深く読めたのだろうと想像できるし、それがそれでいいだろうと。江戸の下町を舞台にした小説みたいな感じだ。
ああ、京都に、Sake Cafe ハンナにまた行きたい。