つい先日までは絶対読まないだろうと思っていた本が状況の変化により興味の対象、あるいは読まなければいけない本となることはあまりないことだと思うが、今はそういう状況だ。気が進まないまでも手に取って読んでみる。予備知識がついていたこともあるが、目から鱗が落ちる感じで色々勉強になる。
そういうことで読んだ本は今まで以下の2冊。以前なら絶対手に取らなかった内容の本だ。
何しろ、多様な働き方(経済的な自立に必要な収入の多様化)を可能にする投資の話だから。これまでは利子生活はけしからんと思っていた人間が、事前に聞いたセミナーの内容をこれら2冊の本で再度確認することによって、その考え方を変えるというのだから。
その流れで、今回が3冊目。今度は会計の話だ*1。これがまた会計というと損益計算書とか、貸借対照表とか、仕事では分析対象となる企業の財務諸表は見ることがよくあるが、ここで会計の話かと若干どう繋がるのか分からず読み始めた。
全体で250ページ弱の分量だが、行間も広く、読みやすい文体、会話形式なので早い人なら1日あれば十分読み終えるだろう。内容は下記の通り、5章立てで、会計の話が色々と簡潔に書いてある。
- 第1章 「会計リテラシー?」僕、営業部ですけど
- 第2章 福利を活かしてお金を増やす
- 第3章 人の力を借りてレバレッジを活かす
- 第4章 お金の流れをイメージして回転を速める
- 第5章 損益構造を把握して価値を創造する
- エピロール
- おわりに
最終的には会計リテラシーの基本を一通り理解することができる。ここまで分かれば、自分で応用できるであろうし、さらに専門的なことを知りたければ、その手の本を自分で探すこともできるようになるだろう。
まず第1章では、お金にはコストがかかっていることが書いてある。本書全体の要約みたいな章。借金だけではない、企業組織の存在(資産)そのものでコスト(資本コスト)が発生しており、その資産+資本コストを上回る売り上げをあげることが目標になるということが書いてある。
第2章では、第1章を受け、お金のコスト面の話、具体的には複利のすごさ(借金の倍は怖さ、利益の場合はありがたさ、そして長期になるほど大きくなる効果)を説明した後で、自己資本と負債の話になり、お金を節約することと、お金を生み出す仕組みを持つこと(ここで複利をうまく使う)の大切さが説かれる。
第3章はレベレッジについての説明。B/Sを見ながら、借金をうまく使う=レバレッジをうまく使うことで周りを動かし、自分の力以上の力を発揮できるようになるという話。借金を上手に使って、売り上げ、利益を最大化しましょうというところ。これは個人の生き方にも応用できる考えというところも書いてある。
第4章の内容は、在庫の話から始まり、時間が大切であること、経営戦略と財務戦略が表裏一体であり、自分の実現したいことを実現するためにはお金の流れを意識することが必要だし、実現のためにどのタイミングでどの程度お金が必要になるかを把握しておくことも大切と。自分のP/LとB/Sに時間軸を入れ、いつ何を実現したいのか、そのためにはどの程度の資金が必要かという感じだ。
第5章は、損益構造の話。本書の総まとめだ。この本で自分としては一番参考になったところ。今回の目的のためだけではなく、仕事や研究面で役に立った。経済行動を会計の面から理解すると自分が知りたいと思っていたことの一端が見えたというところだ。これからのネット社会、データ社会の競争戦略を損益構造、売上高、限界利益(固定費、利益)、変動費の面から考えるってところ*2。
第5章を考えるためには、会計リテラシーが大切であるということ(第1章)、お金にはコストがかかっているという視点(第2章)、時間軸の中でレバレッジをどう使うかなど(第3章)、やりたいこととそれを実現する資金の関係(第4章)を時間軸の中で考えることが必要という感じだ。それで5章の実際の損益構造を検討できるということだろう。総まとめだ。
FIREから、投資という収入源を作ることの大切さ、そしてそれを自分の価値実現にいかにうまく使っていくかという点を大体理解できたような気がする。これらの本は機会があれば繰り返し読むようにして、次に読むのは以下の書籍だ。
徐々により具体的な内容になってくる。