最初に目指したお店はまだ正月休みだった。さてどうしようと振り返るとその店はあった。富の蔵だ。店先のPOP広告を見た瞬間は、居酒屋と思ったが、近づいてみると石臼で蕎麦粉をひいているではないか。ちょうど蕎麦を食べたいと思っていたところだったので、引き寄せられるように店内へ。
店内はお昼時も後半になっていて、お客が引くところ、卓を片付けてすぐにご案内しますということでメニューを渡され、しばらく待ってからご案内。待つ間、メニューをじっくりみることができて、悩んだ末に頼んだのは、天ぷら付きで二色もり御前だ。せいろと変わりそばの組み合わせにミニ丼(天丼がデフォルトだが、天ぷらをつけるので肉どうふ丼にしてもらった)がつく。
卓についてしばらく待つと綺麗に揃えられたお盆が運ばれてくる。箸、蕎麦徳利、天ぷらも食べるので広口の蕎麦猪口、薬味(刻みネギ、大根おろし、山葵)、そして野沢菜の古漬けと綺麗に並べられている。
配膳の時の丁寧さや心配りに触れると、これから出てくる蕎麦や天ぷらもさぞ美味しいだろうと思わせる。そしてしばらく待つと出てきました。最初は柚子切りと天ぷらが同時に運ばれてくる。
蕎麦と天ぷらが運ばれてきて目の前に並ぶ。美味しそうだ。お腹が鳴る。二色もりなので、一つずつのセイロは少なめだが、柚子切りが見た目にも、香りでも分かる。
柚子切りはアップにするとこんな感じ。これを辛めの蕎麦つゆにさっとつけて手繰る。蕎麦は見ての通り、少し太めか、自家挽きした蕎麦粉で打った蕎麦は美味しい。そして蕎麦つゆ。2ヶ月間熟成させたまろやかなかえしを使った蕎麦つゆとのこと。たっぷり蕎麦に絡めていただきました。まろやかだけど、辛い・・・通好みだ。
そして天ぷら。いい大きさの海老天は絶妙な火の通り加減。蕎麦つゆにつけていただいた。そしてさつまいも・・・とても甘かった。はすの歯応えの良さ、そして万願寺とうがらし。天ぷらも美味しくいただいた。
肉豆腐丼は普通のご飯茶碗だが、ご飯が多めだ。しっかりよそってある。そして上に乗せられた肉豆腐は薄味で美味しい。絶妙な味付け。二色もりの蕎麦に加えるのにちょうどいい量と味加減。
そして最後に運ばれてきたのがせいろなのだが、気づいたら空になっていた。写真に納める前に胃袋の奥に落ちていった。これも太めの蕎麦で、蕎麦つゆに負けず、しっかりした蕎麦。いいじゃないの!と思いながら食べ終わる。
富の蔵はお酒の品揃えもなかなかなようで、つまみも蕎麦屋ならではのつまみが揃っていて、夜は夜で楽しめそう。お昼にもっと蕎麦を堪能するのもよし、夜の時間にいって、美味しいつまみと日本酒を楽しんだ後に、最後に〆の蕎麦をゆっくり手繰るのもよし、懐の深い蕎麦屋だ。
ごちそうさまでした。
またお邪魔します。