神田といえば今も下町の雰囲気を色濃く残しているお店がいろいろあることで有名だ。今回、尋ねた神田まつやさんもそのようなお店の一つだ。
休日の午後3時ごろふらりと寄ってみる。昼時を過ぎているので少しは空いているかと思ったが、休日だからか結構な混みようだった。激混みというわけではなく、店内は8割、9割の入りで行列している人がいるわけではない・・・程よい混み方が店内は活気があっていい。
そんな休日の昼過ぎに頼むのは、やはりぬる燗。蕎麦味噌がセットになっているのも他の蕎麦屋と同じだ。小さいお猪口にぬる燗を注いで口元に運ぶ。舐めるように飲む。美味しい。やはり日本酒は美味いと今更なが思う。そして蕎麦味噌、こちらの蕎麦味噌は甘いかな。
蕎麦屋での昼酒の時はつまみを一品頼むが、今回はこれだ。朱塗りの器に入っているのは、親子煮だ。簡単に言ってしまえば親子丼の上だけね。蕎麦屋で親子煮といえば贅沢なつまみだ。
こんな感じ。海苔のいい香りが鼻腔をくすぐる・・・こういうのはたまらない。そして椎茸やら三つ葉やら竹の子やらが入っている。当然、鶏肉も・・・鶏肉は胸肉かな、しつこくないあっさりとした部位だと思う。
それを濃いめの汁で煮てある。いい感じの味の濃さだ。これが酒を妙にあう。酒が進むよ。飲み過ぎは良くないから、ちびりちびりと唇を濡らす。美味しい酒に美味しいつまみ・・・いうことないではないか。
そして仕上げのそば。ちょっと考えたが、やはりもりそばにした。頼むとしらばくして出てくる。それがこちら。
まつやさんのもりそばの特徴としては山葵が付いていないことかな。昔のそばは七味で食べたそうな。それを今も受け継いでいるのがまつやさんのそばだ。
そばは二八蕎麦でつなぎには卵が使ってあるとのこと。これが美味しいんだな。今回食べて改めて美味しいと思った。そして気づいたのが、このそば、酒に合うということ。
いや、そばだけではない。この蕎麦つゆがまたいい塩梅の甘辛さ加減だ。そこに添えられる刻みネギの風味・・・その余韻の中があるうちに日本酒をちょいと飲む・・・美味い!
酒のつまみに蕎麦か・・・蕎麦屋で酒を飲むことはこれまでもしょっちゅうだったが、酒のつまみに蕎麦が合うと思ったことはなかった。まつやのそばは酒に合う。今度は酒のつまみはもりそばで行こう。
店内はいつきても一緒。でもお客さんは一緒ではないから、くるたびに雰囲気は変わる。今日は休日の午後、みんないろいろ蕎麦を頼んでいた。休日しか来れない人たちだったのだろう。
ここで蕎麦を打っているところはまだみたことないので、一度ぐらいみてみたいものだ。
美味しいひと時を過ごして外に出て振り返ると、そこにはいつものまつやさんがあった。
今回もごちそうさまでした。
次回もよろしくお願いします。