Amazon Japanが主催するAmazon Academyに参加してきた。
今回のテーマは、「グローバル経済の潮流、世界での成功の鍵となる中小企業のためのビジネスソリューション」だった。
プログラムと参加者は以下の通り。
- 挨拶 アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー チャン
- 基調講演1 JETRO 副理事長 赤星 康氏
- 基調講演2 大阪大学准教授 安田 洋祐氏
- パネルディスカッション JETRO 副理事長 赤星 康氏、経済学者 安田 洋祐氏、アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパー チャン氏(ファシリテーター: アマゾンジャパン合同会社 経済学部門長 渡邉 安虎氏)
- Amazonのご紹介およびAmazonビジネスを通じた中小企業の支援
- Amazonマーケットプレイスにおける中小企業支援の取り組み
- 中堅・中小企業で活用ひろがる『AWS』、その海外展開事例のご紹介
まず最初、アマゾンジャパン合同会社 社長 ジャスパーチャン氏から挨拶があった。その内容は、日本経済において中小企業の大切さを述べた後、Amazon Japanがいかに中小企業の市場の活性化に貢献しているかというものだった。15万社以上の中小企業が利用していて、彼らは1分あたり600個の商品を販売しており、その流通総額は9000億円に上るというもの。
中小企業の市場は、数年のうちにAmazon Japanがかなり押さえるのではないかと正直感じた。Amazonが提供するプラットフォームを利用すればグローバルマーケットも一気に視野に入ること、そこで提供されているプラットフォームは当然、ICTを使ったプラットフォームが中心だということ、だから投資も重くない。シェアビジネスのような多くのスタートアップもこれを使うと可能性が一気に広がるのではないかと想像するではないか。
次は基調講演でジェトロの赤星氏。ジェトロも国内外の拠点のネットワークを利用して、中小企業の支援をいろいろ行っている。イノベーションが世界各国で起こっているとい現実、中小企業の国際化の可能性が述べられ、またイノベーションを支援するための取り組みが紹介された。
今の実感なき成長を脱出するためにいろいろ手は打たれているのだ。
そして基調講演の2人目は、大阪大学の安田先生。
安田先生は、経済学者の視点から現状の日本経済を簡潔に分析し、何を変えなければいけないかを話した。
話は、マクロの視点で「負のスパイラル」(賃金&投資の伸び悩み)についてからだった。そこではその負のスパイラルから抜け出すためのポイントが示され、次に安田先生の専門のミクロの視点から負のスパイラル(ミクロ的にはブラック均衡と言っていた)から抜け出す方法を、働き方改革を例にゲーム論を使ってやさしく解説するものだった。
そこでは、人材の多様性と経営者/上司のリーダーシップの2つが重要なポイントであることが明らかにされる。新鮮な視点を持つ若者の存在の大切さ、彼らをいかに活性化するかが日本経済再生のポイントであると語られた。若者よ、大志を抱け!周りの大人はそれを邪魔するな!ということだ。
世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション
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そして最後に、このグローバリゼーションの時代を上のボールドウィンの著書に書かれているフレームを紹介しつつ、特徴を明らかにし、これからのITはネットの仮想空間ではなく、リアル空間でのロボット等の活用がポイントになる点、それは日本の企業にとって決して不利にはならない点を述べるものだった。
この後、パネルディスカッションがあり、これはこれで面白かったが、内容は割愛。そして第三部のAmazonの中小企業支援の取組みとその事例紹介も興味深かったが、割愛。そして第四部もあったのだが、時間の都合でここに参加できなかったのが残念というAmazon Academyだった。
今回、初めてAmazon本社(だよね?)に足を踏み入れたわけだが、そこからの眺めはなかなかのものだった。写真、真正面に六本木ヒルズが写っている。
今回は、Amazonが中小企業市場にかなり食い込んでいることに驚き、その中小企業をさらに活性化させる仕組みが用意されていて、これから来るAI・ロボットの時代は必ずしも悲観する時代ではないということを改めて認識して帰ってきた。
これから日本企業がやらなければいけないのは、産出をいかに拡大させれるか、そのような(プロダクト)イノベーションをどう実現していくかが大きく問われていくことになるだろうとやはり思った。その時のポイントは若い世代だ。
それと共に、投入を少なくする(プロセス)イノベーションも継続的に取組み、労働資源を成長分野によりシフトしていく経済にしないといけないのだろうと思った次第。
以下、2019年7月22日に加筆。
「第2回 Amazon Academy」 ダイジェストムービー
当日の様子を伝えるダイジェスト映像がAmazonにより公開された。