先日は上野の森美術館でのフェルメール展・・・フェルメールの作品を肉眼で見てう〜むと唸って帰ってきた。
今回は、東京都美術館で、江戸絵画の奇想と言われる画家たちの作品を見てきた。これは、奇想の系譜の新版がこの2月4日に出版されたことが一つのきっかけになっているのだろう。HPには明確には書かれていないが、これを機会に・・・という感じは伝わってくる。
書籍の「新版 奇想の系譜」では、江戸時代の画家として、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳の6名が取り上げられているが、今回の奇想の系譜展では、その6名に加えて、白隠慧鶴、鈴木其一の2名を加えて、計8名の作品を鑑賞できるようになっている。
順番は、まず伊藤若冲から始まる。事前チェックを一切しないで行ったので、いきなり伊藤若冲の作品がずらずらっと見られたことにはちょっとびっくりした。初めて見たけど、鶏を中心とした作品のあのなんとも言えない絵力には圧倒される。
2番目は、曽我蕭白(そがしょうはく)。実際に見ているときは感じなかったが、今、この記事を書いていて、HPの絵を見ていると確かに奇想だと・・・。
3番目は、長沢芦雪(ながさわろせつ)。お猿さんの絵が印象的でした。
4番目は、岩佐又兵衛(いわさまたべい)。こちらは常盤御前の仇討ちを題材として絵巻物が印象的でした。
5番目が、狩野 山雪(かのうさんせつ)。大好きな狩野派の画家です。やはり狩野派の絵は好きだなと改めて感じたり。緑と黄金色がポイント(と自分では思っている)の狩野派の絵、力強いです。
6番目は、白隠慧鶴(はくいんえかく)。5番目までが結構、細密な絵ですごいと感心しながらも少し疲れてきていた目と頭には、慧鶴さんの作品は優しい絵でした。すたすた坊主図なんてもうたまらんですね。
7番目は、鈴木其一(すずききいつ)。細密な筆致にただただ感心するばかり。
そして最後、8番目が歌川国芳(うたがわくによし)。浮世絵でした。こちらもなかなか迫力のある絵で圧倒されました。
今思い返すと、印象に残っているのは、鶏、虎、猿、小鳥、昆虫、そして象、鯨などの動物。あるものは細かく、あるものは大胆に、若冲の鶏の描写の迫力にはただただ圧倒され、象や鯨の大きさに感心し、虎と猿にはなんともいえないおかしみを感じ、小鳥や昆虫の細かい描写はすごいと感心。
描写の大きさと細かさには本当にびっくりでした。全体の構図の大きさとその一方で細かいところまで描ききっている点はすごいの一言。ここまで書き込むのかと感心し、これだけの大きな構図を書くのかと・・・いくつもの物語が描かれれている絵の全部を把握するのはなかなか難しく。
時間があれば丸一日かけてじっくり鑑賞したいと思う絵の数々でした。
終わった後は、お腹いっぱいって感じw