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塩沼亮潤著「人生生涯小僧のこころ」:凄すぎる修行の果てにたどり着いた境地に絶句

プロトレイルランナーの鏑木さんのFBだったかに紹介されていた本書・・・なぜか買ってみた・・・何かにすがりたかったのかもしれない。読んで良かったと思う本。

最初に驚いたのは、著者の写真。行を行なっているところや終わったところの写真ではなく、最後の方、259ページに載っている写真だ。この写真を見たとき、何とも言えないものを感じた。厳しい行、大峯千日回峰行、その前に百日回峰行、そして千日回峰行の後は、四無行と厳しい行を行ってきた人の顔、立ち姿とは思えない丸み、優しさを感じる写真だった。

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本文を読んでも、著者の筆致に何もきよったところはない、淡々として、謙虚に、あくまで謙虚に己のやってきたことが綴られている。

自分が本書を手に取ったのは、もちろん鏑木さんが読んでいるということからであり、走るということに対して何か、そこに何を自分が求めているのかはよく分かっていないが、今の自分を走ることにもっと向かわせてくれる何かを求めていたのかもしれない。
本書の構成は以下の通り。

  • プロローグ なぜ千日回峰行をはじめたのか
  • 第1章 千日回峰行とはどういうものか
  • 第2章 私を行に向かわせたもの
  • 第3章 千日回峰行までの道のり
  • 第4章 心を磨く千日回峰行
  • 第5章 いつも次なる目標に向かって
  • 第6章 流れの中で ありのままに
  • エピローグ 人生生涯小僧のこころ

もうねえ、千日回峰行をやるために生まれてきたような人といったら怒られるだろうが、この目標に出会ってからまっすぐにそれを目指し、それを忘れることなく、あらゆる艱難辛苦を受け入れ、そしてそれを生きる力に変えてしまうその心のあり方、走ることも、仕事も、日々の生活もこんな風にできたらと思わずにはいられない。

人生生涯小僧のこころ

人生生涯小僧のこころ

 

全てを受け入れることから始まり、そして常に初心にいることを、絶えず向上していくことを、森羅万象あらゆるものに対する感謝の気持ちを・・・3つの行をやり抜いた人だからたどり着いた境地かもしれない。自分のような人間にはどうしようもない高みに立たれているようにも感じる。

それにしても千日回峰行における日々の行で体験する内容は厳しいものだ。すぐに走ること、走っている時のことと重ねてしまうが、誰にも負けない意志の強さを感じずにはいられない。自分に同じことができるとは思わないが、どのように苦しい場面を切り抜けていけばいいかの考え方の一端は感じられたかもしれない。

多分、近いうちにまた読み返すだろう・・・自分にとっていろいろ考えさせてくれる本だ。

歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ

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