日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

メモ:情報通信市場における競争政策:MNO楽天モバイルの参入・ネットワークの拡張

最近、競争政策とはとんとご無沙汰だが、先日のMNO楽天モバイルの参入に関する記事で、KDDIと提携するという記事を見て、少々違和感を覚えた。その際、それに関するtweetをしたので、それをここにまとめて上げておく。

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tweetした時のままの文章なので、色々穴がある・・・そもそも今回の提携に異を唱えること自体が的外れなのかもしれないという時代になっているのか・・・とも思わないでもないが、90年代の長距離固定電話の競争を見てきた自分が感じたことをそのまま書いているのでご容赦願いたい。

まずは過去の固定電話の長距離市場での競争を思い出しながら・・・

今回のKDDIとの提携は当時のNCCもやっていたなあ・・・程度の認識・・・そして最後の文章で「あれ?」と気付き始める。

Competition Policy: Theory and Practice

Competition Policy: Theory and Practice

 

これだよ。両社って競争関係なのではないかと・・・そして競争の促進による料金の低廉化をさらに進めようとして、第4の事業者だったのではないかと。さらに先日の携帯電話料金はまだ4割下げられるという発言。市場メカニズムはどこに行ったのかと思っていたことを思い出した。

長距離固定電話の競争の時代は、事業法上の業務委託としてそれ相応の枠組みが準備されていたのではなかったか。今回の件はどのように評価されるのであろうか。

ある人が言うには、設備を共用するようになり、コストは下がるのではないかと言うが、そう簡単に言えないのではないか。欧州の例があるが、欧州は欧州で事情があって、ベンダが基地局などをアウトソースで管理しているが、その状況と日本の状況はまた違う。

競争を前提にしているのなら、今回の提携は簡単には認められないのではないかと思うのだが・・・どうなのだろう。業法である電気通信事業法がこの状況に対応できないのであれば、独占禁止法上はどうなのだろうか・・・と言うことを思った次第。

最近、こちらの方面の勉強していないので、的外れや間違っていることもあるかもしれない。あくまでもメモとして読んでいただければと思う。

Economics of Regulation and Antitrust (The MIT Press)

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