最近、競争政策とはとんとご無沙汰だが、先日のMNO楽天モバイルの参入に関する記事で、KDDIと提携するという記事を見て、少々違和感を覚えた。その際、それに関するtweetをしたので、それをここにまとめて上げておく。
tweetした時のままの文章なので、色々穴がある・・・そもそも今回の提携に異を唱えること自体が的外れなのかもしれないという時代になっているのか・・・とも思わないでもないが、90年代の長距離固定電話の競争を見てきた自分が感じたことをそのまま書いているのでご容赦願いたい。
まずは過去の固定電話の長距離市場での競争を思い出しながら・・・
楽天モバイルの動きを見ていると、90年代に長距離電話市場でNCCがネットワーク拡張競争をしていたころを思い出す。あの時も、NCCは全国展開するために既存事業者(当時はNTT)からネットワークを借りてまずはサービス提供を早急に開始することを最優先にしていた。 #楽天モバイル
— 野口正人@夏太(サマデブ) (@Masato_Noguchi) 2018年11月1日
今回のKDDIとの提携は当時のNCCもやっていたなあ・・・程度の認識・・・そして最後の文章で「あれ?」と気付き始める。
承前)後発事業者がNW事業に参入するとはそういうものなのだろう。長距離電話の競争は全国ネットワークを完成させたものが勝ったのではなかったか。今回は、当時とは状況が異なる。楽天さんが1社後発事業者としての参入だが、これが5年後、10年後どうなっているかは誰も予想できない。 #楽天モバイル
— 野口正人@夏太(サマデブ) (@Masato_Noguchi) 2018年11月1日
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これだよ。両社って競争関係なのではないかと・・・そして競争の促進による料金の低廉化をさらに進めようとして、第4の事業者だったのではないかと。さらに先日の携帯電話料金はまだ4割下げられるという発言。市場メカニズムはどこに行ったのかと思っていたことを思い出した。
承前)そういえば、KDDIのネットワークでローミングするという楽天モバイルだが、この2社、競争関係になるが、競争政策上、問題ないのだろうか?
— 野口正人@夏太(サマデブ) (@Masato_Noguchi) 2018年11月1日
長距離固定電話の競争の時代は、事業法上の業務委託としてそれ相応の枠組みが準備されていたのではなかったか。今回の件はどのように評価されるのであろうか。
承前)長距離固定の時は、事業法でNWを拡張する際の当座の措置として業務委託契約を認めていたが、今回はそういうものではなかろうと思う。競争相手のネットワークをローミングで借りて全国展開し、上位レイヤではその見返りに決裁・物流基盤を提供するってのはどうなのか? #楽天モバイル #競争政策
— 野口正人@夏太(サマデブ) (@Masato_Noguchi) 2018年11月1日
ある人が言うには、設備を共用するようになり、コストは下がるのではないかと言うが、そう簡単に言えないのではないか。欧州の例があるが、欧州は欧州で事情があって、ベンダが基地局などをアウトソースで管理しているが、その状況と日本の状況はまた違う。
競争を前提にしているのなら、今回の提携は簡単には認められないのではないかと思うのだが・・・どうなのだろう。業法である電気通信事業法がこの状況に対応できないのであれば、独占禁止法上はどうなのだろうか・・・と言うことを思った次第。
最近、こちらの方面の勉強していないので、的外れや間違っていることもあるかもしれない。あくまでもメモとして読んでいただければと思う。
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