藤咲攻殻の3冊目。
この3冊、微妙に物語がつながっている。
特に第2巻と第3巻かな。
第2巻で出てきたスナイパーが荻窪に流れ着いて、その土地にしがみついて、ストーリーの中でもそれなりの役割を果たす。
まあ、中心人物ではなかったので、最後はどうなったか書かれてなかったが、それなりに生きているんだろうw*1
各章のストーリの中にそれらの章をつなげる味付けがしてある。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 眠り男の棺 (徳間デュアル文庫)
- 作者: 藤咲淳一,中澤一登,新野量太
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/02/04
- メディア: 文庫
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- 眠り男の夢
- 眠り男の棺
という具合。
人の好意を悪意に変える電脳ウィルスをめぐるストーリだ。
その開発をめぐる悪事とそれに対する復讐が根っこにあって、その真相を解明するために公安9課が出番になる。
中でも今回は、草薙が単独丸腰で現地に行き、そこでいろいろ電脳社会のネットワーク技術を使って犯罪の根を特定し、追い詰めていく。
人の目や防犯カメラなどをネットで接続し、自分の目とするというのは近い将来いかにもありそうなことだなと思わせる。
なるほどと思った一言。
人間が集まるところにネットがあるということね。
その通り。(中略)
新浜のような都会なら、人間が動かずとも、必要以上のインフラが用意されとるからな。だが、情報などというものは、必要なときに、必要な場所に行くことで、拾えるものだ。決して机の前に座っていて拾えるようなものじゃない。その情報が真実かどうか、見極める必要があるからのう。ネットの中にあるのは、ただの情報にすぎん。真実とは、その目で、耳で、五感で感じた先にあるものを言うのだ。
なかなかいいこと言うね。
*1:本当はこういうあたりのディーテールも詰めて書いてあると、もう一つストーリに厚みが出来て面白味も増すんだろうけど・・・いろいろな点でそこまでは望めないかな。