日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

Deep Learningの可能性:いろいろ議論はあるらしい

今年の情報通信白書は、電気通信改革30周年だったこともあり、過去を振り返り、未来を見通すものだった。改めて30年を振り返ると、その変化の大きさに気付かされるが、これから情報通信の世界で起ころうとしていることはそれ以上の変化になるのではないか。

初めの始まり

今に繋がる大きなトレンドの変化*1は、Web2.0*2から始まったと言っていいだろう。だからその瞬間、いわゆる電気通信産業は主役の座を降りることになった。第一次産業から第二次産業、そして第三次産業GDPを生み出す主力産業が変わっていったように、情報通信の世界も21世紀に入り大きく変わることになった。

Web2.0と言われていたのは情報発信が誰にでもできるようになったという手段としてのITの可能性を誰にでも使えるものにしたことであろう。それからインターネットの普及により通信は単なる情報の伝達から蓄積、加工をすることができるようになったというか、それが前提で使われるようになった。

それがSaaSクラウドとなってきて、ここ数年、ビッグデータとしていろいろ騒がれるようになっている。しかし、ビッグデータでどうこう言っているのではその変化の先を見極めることはできない。当然、誰でも気づくことだ・・・集めたビッグデータをどのように使うのかということ。そこにAIが出てくる。

産業の在り方を変えるか

通信ネットワーク、その先にある情報端末、そこから吸い上げられる情報、それをクラウド上に蓄え、AIが処理する。その処理した情報を使い、ある時はネット上で作業が行われ、ある時はロボットが作業をする。このシステムがあらゆる産業に入っていく*3

こうなれば、当然、産業も変わっていくだろう。今でも周りを見回せばその端緒の動きはそここにある。例えば、街から消えたレコード屋さん、最近、減ってきている本屋さんが典型例だ。本屋を知っている人間からすれば、やはり本屋で実際本棚で予定外だが面白い本を見つけた時のワクワク感などがなくなることが寂しいというが、本屋を知らない人間からすればそんなことはネットの本屋でも代替できると考えるかもしれない。

本が宅配ネットワークに乗るようになり、それが電子化されて宅配も使われなくなる。そうすると、印刷業、製紙業、製本業やそのための道具や原料を作る産業が衰退することになる*4

技術も変わるし、人も代替わりしていく、技術が世の中に影響を与え、世の中も技術に影響を与えながら変化が日々少しずつ進んでいく。10年も経てばそれは大きな変化となって我々の前に、誰でも認識できるようになって現れる。

深層学習がポイントらしい

その中でポイントになるのが、AIだ。中でも今は、深層学習が注目されている。深層学習はAIではないということを言う人もいるが、ここではそこはとりあえず置いておこう。AIの発展には幾つかの流れがあって、深層学習はその中の一つのなのだが、近年大きく発展しているのがこの分野らしい。

そしてそのキーになっているのが、認識技術だということだ。画像認識が高度になることにより、情報の把握が容易になり、それを解析して、ビジネスに応用していく。話題になったところでは、Googleの猫だろうか。コンピュータが自ら、猫を猫として認識するようになったということなのだが、それがどういう意味で重要なのか。

コンピュータが状況を認識し、分析して、自ら意思決定し、行動に移すということだ。その最初の部分、認識技術が大きく進歩しているのが最近の状況。昨今話題の自動運転の技術も認識技術が大切そうだというのは素人にも分かるであろう。

人工知能、深層学習あたりをキーワードとしてしばらくこの分野を調べてみることがこれからのITの世界を理解していくためには必須らしい。

とりあえずどうするか?

この歳になって新しい分野に手を出すというのはなかなか骨の折れることだが、面白そうな分野だし、昔からそれなりに興味のあった分野なので下記の書籍あたりから読んでみようかというところ。

深層学習が果たしてAIなのかという議論もあるみたいだが、まずは始めないと何事も進まないのでとりあえず一歩踏み出しましょうって感じです。50の手習い。

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)
 

 こちらも20年前に出たものだが、これも参考文献としていいらしい。

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

 

 こちらはすでに所有していて、積ん読になっている一冊。改めて読むインセンティブを与えられた気分。

岩波データサイエンス Vol.1

岩波データサイエンス Vol.1

 

 自分の不調の一端がちょっと分かったような気がしているので、そこを治せれば、これらの本を読むことも少しずつ進んでいくだろう。

*1:Web2.0はその変化を我々一般の人にも気づかせてくれるものだった。では変化はいつから起こっていたのかというと、やはり90年台の半ば、インターネットが民間に開放された時だろう。日本ではそれに携帯電話の爆発的な普及が重なることになる。

*2:Web2.0バズワードの代表のように描かれることがあるが、一つの時代の転換点を象徴する用語としてこれからも残っていくと考える。Web2.0の前後での変化を見てみれば、単なるバズワードではないであろう。

*3:このようになった時、誰でも想像するのが、また昨年あたりから色々と言われているのが、労働の機会をロボットが奪うのではないかということだ。実際はある部分は代替され、ある部分は新しい職業が出てくることになり、短期的には奪われるが、長期的に見れば問題ないというところか。移行期の政策をどうするかはいろいろ議論が必要だろうが。

*4:実際、すでにそういう研究はされていて以下の記事がその解説だ。職業に注目しているので、前の注であげるのが正解のような気もするが、まあ、ブログの記事なのでその辺は適当である。

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