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池井戸潤『俺たちバブル入行組』『俺たち花のバブル組』:半沢の原作読んだよ

TBS日曜劇場の半沢直樹、テレビでは2回ぐらいしか見なかったが、その一回が最終回で面白かったので、原作2冊をこの週末に読んでみた。あっという間に読み終わってしまったのだが、なるほどテレビは原作2冊をぎゅっと濃縮したような脚本になっていたのだなぁ〜と読みながらの感想。

俺たちバブル入行組の最初のシーンは就職活動のシーンからだが、ちょうど僕もほぼ同じ世代にあたりあの当時を懐かしく思い出した。僕自身は大学院に進んだから、あの就職活動をちょっとしか経験していないが、今でも思い出すのは、大学の就職部の職員から「だまって俺の言うとおりにしていれば就職させてさせてやるからいうこと聞けよ」と言われたことだ。なんかその言われようが気に入らなくて就職部には顔を出さなくなり、大学院の道を進むことの一つのきっかけになった。今となっては懐かしい。



4167728028 オレたちバブル入行組 (文春文庫)
池井戸 潤
文藝春秋  2007-12-06


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章立ては以下の通り。

  • 序 章 就職戦線
  • 第一章 無責任論
  • 第二章 バブル入行組
  • 第三章 コークス畑と庶務行員
  • 第四章 非護送船団
  • 第五章 黒花
  • 第六章 銀行回路
  • 第七章 水族館日和
  • 終 章 嘘と新型ネジ

同期入社の仲間を絡めながら半沢が銀行で戦い、生きてく様を描いているが、これ、普通の企業でも似たり寄ったりだなというのが素直な感想。理想と現実の中で生きていく、現実といかに向き合って自分の道を切り開くか・・・悲喜こもごものドラマとなっている。関西の中小企業への不正融資が中心に物語は進むが、追い込まれそうになるとそこから挽回する展開は読んでいてなかなか楽しい。

そしてその続編の俺たち花のバブル組。こちらも基本的には同じだ。半沢を中心にストーリは進むが今度は行内の不正と金融庁の検査と前作よりもスケールアップして進む。そして最後は組織のバランスの中で左遷される主人公。読んでいるとちらりちらりと現実のいろいろなシーンが頭をよぎる・・・。

4167728044 オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤
文藝春秋  2010-12-03


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続編の章立ては以下の通り。

  • 第一章 銀行入れ子構造
  • 第二章 精神のコールタールな部分
  • 第三章 金融庁検査対策
  • 第四章 金融庁の嫌な奴
  • 第五章 カレンダーと柱の釘
  • 第六章 モアイの見た花
  • 第七章 検査官と秘密の部屋
  • 第八章 ディープスロートの憂鬱
文章は軽快で読みやすい・・・事実、最近、本を読むことが苦痛になっていた僕でさえこの土日、いや、実質的には一日ぐたいか、で読み終えてしまったぐらいだ。

テレビドラマを見てから原作を読んだので、読んでいるときに頭に描いている半沢以下の登場人物はすべてテレビで演じた役者さんたちなのだが、例えば、半沢は原作ではもう少し棘がある人物のような印象を受ける。テレビドラマでの堺雅人はそれよりはマイルドだ。花もかわいすぎ。渡真利もいい男過ぎる・・・と思ったw

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