夏真っ盛り(暦の上では秋だけど)のこの時期に、慶応大学の湘南藤沢キャンパスに行ってきた。
東京から90分ぐらいだろうか。宅地と畑と木々の生い茂る中にキャンパスはある。夏休みということもあり、キャンパス内は閑散としていて、その静かさも良かったが、感じたのは暑さだった。
日本橋周辺の暑さが刺すような痛い暑さだとすれば、SFCの暑さは柔らかい暑さだった。やはり木々の中を風が通ってくるためだろうか、都心の暑さとはまったく違い、クーラーがなくても扇風機があればすごせるのではないかと感じさせる(実際は無理だろうけど)。
実はW3Cの方に会いに行ったのだが、そこでHTML5とその周辺のことについても聞くことができた(HTML5については例えば、「HTML5が拓く新しいWeb」を参照)。HTML5で目指す標準化は、ユーザーからは直接見えないが、その背後では情報のやり取りと言っていいのか、よくわからないが、そのやり方が大きく変わるためビジネスへは計り知れない影響を与えるだろうというようなことの触りを話してもらった。
その際に出た話が、標準化過程(作業)における企業のかかわり方。我々は企業レベルでも個人レベルでも、ルールは決まってから教えてもらって対応すればいいと考えてしまうことがあることは否めない。実際にそうしてしまったこともあるだろう。
ところが、その標準化過程にしっかり携わっていないと、いざ標準化ができた時にそれからスタートとすでにかかわってきた者の間では大きな開きができてしまっているということ、現在の技術開発、製品開発ではその差は決定的になるということだった。言われてみれば当然なのだが、そのような過ちを日本企業はしてきたため、今のこの凋落があるとのことだ。(常識がないんだ・・・と先日読んだ「バカの壁」を思い出していた。)
それをどのように挽回するのか・・・10年後、日本は何で飯を食って行くのか・・・今の部長さんクラス(40代後半以上でしょうか)はいい、若い人たちはどうすればいいのかという言葉が印象に残っている。
柔らかい暑さの中で突き刺さった言葉だった。