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Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

上念司:デフレと円高の何が「悪」か

日本経済の現状を考えている人の間で話題の書。すーっと読めます・・・分かりやすい例で今の日本経済がどのような状況なのかを説明してくれています。

今の日本経済の状況、すなわちデフレであり、それが一見してわれわれの日々の生活にメリットがあるように思われがちだけれど、実は非常に恐ろしいことが起こっているということを教えてくれます。

内容は以下のとおり。

  • はじめに
  • 第一章 デフレと円高は恐ろしい−生活に与える諸影響
  • 第二章 物価の動きをチェックせよ
  • 第三章 日本に無税国家が誕生する?−金融政策と金利のメカニズム
  • 第四章 金ならある、心配するな−財政と財源を考え直す
  • 第五章 歴史は繰り返す−昭和恐慌から学べ
  • 第六章 今、やるべきことは何か−具体的な政策を実行せよ
  • おわりに

4334035434 デフレと円高の何が「悪」か (光文社新書)
光文社  2010-01-16


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問題点を気付かせてくれる、それも身近な例で分かりやすく。そして具体的な政策へと単刀直入に議論は進む。議論が分かりやすいからこそそこに漂うある種の危険な匂い。ここで言われていることはほとんど間違いはないのかもしれないけれど、言い方はどうなのだろうと心配にならないでもない。

第一章ではデフレの恐ろしさと円高の問題を具体例を持って解説する。第二章ではデフレを判断するためには物価に注目する必要があること、そしてその物価指数に問題があることなどが書かれている。第三章は金融政策の有用性を述べ、第四章で今の財政危機と言われれている状況について説明され、財政再建にはデフレ脱却が必要であることが述べられる。そして第五章では歴史に学べということで、昭和恐慌時の政府の対応が解説され、最後に具体的な政策が示される。

昨今の物価の低下がどういう帰結をもたらすのか、それを脱却するためには何をする必要があるのかについて考えるきっかけを与えてくれるものだと思う。

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