福岡さんの書籍では2冊目に買ったもので、読むのは3冊目。書名が「できそこないの男たち」ということで、こちらの本もなかなか興味深い内容。
男と女の間は、本来、女性なのに外見が男性な人や、外見は女性なのに内面は男性の人がいたりするけど、そのような人たちが生まれるのは、遺伝子がコピーされるときの情報の伝達(コピー)に原因があるらしい。そんなことが書いてある本。染色体X、Yや遺伝子情報のレベルで男性と女性という性について考える。
これはこれで興味深い内容だ。
目次は以下のとおり。
- プロローグ
- 第一章 見えないものを見た男
- 第二章 男の秘密を覗いた女
- 第三章 匂いのない匂い
- 第四章 誤認逮捕
- 第五章 SRY遺伝子
- 第六章 ミュラー博士とウォルフ博士
- 第七章 アリマキ的人生
- 第八章 弱きもの、何字の名は男なり
- 第九章 Yの旅路
- 第十章 ハーバードの保身
- 第十一章 余剰の起源
- エピローグ
例によっていろいろなエピソードを交えながら性について分子生物学の視点でその最新の成果が語られていく。そもそもメスしか存在しなかったとか、オスはいくつかの点でメスに比較して生物として弱みを持つとか。精子と卵子が出会ってから、受精卵が細胞分裂し、さらに細胞が体の各部位の役割を担っていくようになる過程やどのようにして男性という性が決定されるのかなど、興味尽きない話題が続く。
男性にとってはちょっとショッキングな内容かもしれないけど、自分らの体のことがやさしく語られており、いい勉強になる。