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Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

アラン・グリーンスパン:波乱の時代(特別版)サブプライム問題を語る

今回のバブルの生成を演出した人の一人・・・アラングリーン・スパンがサブプライム問題について語った特別版だ。

この本を読むと今回の危機が2007年夏から始まっていたこと、それがリスクを不当に低く評価したこと、その調整は今後も続くであろうことなどが語られている。

4532353300 波乱の時代 特別版―サブプライム問題を語る
山岡 洋一
日本経済新聞出版社  2008-10


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この難しい時期に景気分析を今後していかなければならないというのも大変なことだが、実証分析をする上で34ページから38ページまでの記述は参考になる・・・というか常に注意しなければいけないところだと改めて認識しだ次第。

エコノミストは経済予測にあたって、人間の反応が合理的か非合理的かを問題にするべきではない。問題にすべきは、観察が可能で組織的なものなのかどうかだけである。リスク管理モデルとマクロ経済モデルのどちらでも、この人間の反応という重要な「説明変数」が欠けている点に大きな問題があるとわたしは見ている。

実証分析は、現実経済の問題点と思われる事象を抜き出し、モデル化し、定量的に分析したものであり、その事象の因果と、モデルで特定している因果がずれていればモデルによる分析は何の役にもたたない、否、害になる可能性の方が高い。また使うデータがその分析に適したものであるかという点も重要だ。その時、満足なデータで分析できることは少ない。それは事前に分かっている時もあるし、事後的に明らかになる場合もある。なかなか難しいところだ。

本書では、グリーンスパンの市場機構への信頼が最後まで述べられており、規制などによる介入には否定的だ。また今回のような危機は、今後も起こるであろうことを前提に我々は日々備えるべきであり、市場参加者の自制的な行動の大切さというものを考えさせられる。

ところでまだ本編を読んでないんだよね・・・これから読みます[E:book]

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