レビィットのヤバい経済学と同じような視点で書かれている。
取り上げられている話題は、結婚と所得の関係(いい男は結婚しているか)から始まり、徐々に経済学的ものの見方が分かるように、より深い議論に導いてくれる。所得体系と労働インセンティブの関係、そして最終的には所得格差の話につながる。
経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには 大竹 文雄 中央公論新社 2005-12 by G-Tools |
全編具体的なデータや分析結果を取り上げながらテーマにそって経済学で考えるとどのような現実が見えてくるかという視点から語られており、経済学で世の中の見る視点を養う点では、入門書としてちょうどよい。
またそのとき経済学がどのように役立つか、あるいはデータがどのような役割を果たすかという点を教えてくれる。これだけデータが飛び交っている世の中、それを読むための理論的なフレーム(と書くとなにやら難しいと考えていしまうかもしれないが)が必要であることを教えてくれる。
いくつか経済学の入門書をここでは紹介しているし、これからも紹介するであろうが、どれを読むかは個人の嗜好で決めればいい。本屋に行って立ち読みをして(場合によっては1章全部読んでみて)、自分が興味をもって読めそうな本を1冊購入すればいい。
その1冊をじっくり読めば、また次に読みたい本が出てくるだろう。