日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

詰め込み教育は悪だったか?

最近、ニンテンドウDSの脳を鍛える大人のDSトレーニングをやっていて思うのは、実は日本の教育で、詰め込み教育と言われていた部分は、そんなに批判されるべきものではなかったのではないかということだ。

しかし世の中は、「詰め込み教育 → 創造性がなくなる」という図式で考えられ、ゆとり教育とかいって、詰め込み教育からの転換がなされた。この教育改革が失敗であったのは誰の目にも明らかだろう。現在の初等中等教育は恐らく詰め込み教育と言われていたころよりも悲惨な状態なのではないか。

実は、日本の教育改革で必要だったのは、「詰め込み教育 + 創造性を育む教育」であったのではないか。こんなことは今さら指摘するまでもないことだろう。

こういう状況になって改めて思い出すのは、予備校に通っていた頃、古文の先生が言った一言だ。

「古典のよさを知るには、まず古語を覚える必要があるだろう。だから俺は最初暗記させるんだ。古典のよさを考えるのはそれからだ。基礎知識(単語の意味)を知らないのに、良さが分かろうはずがない。」

実は、詰め込み教育と言われていた頃は、実態として各先生方が工夫して、創造性を刺激するような授業がなされていたのではないか?

それが何らかの状況の変化で、なされなくなった・・・で、表面上見ると、詰め込み教育と言われるこれまでの日本の教育システムがすべて悪いという印象を与えたということだろう。本当の原因はそういうことではなかった・・・可能性が大きいということが分かってきたのがまた最近の状況というところか。

さて、一度壊れてしまったものを元に戻すのは難しい。二度と失敗しないように再構築するためには、どうしたらいいか。脳の体力をつけることと、創造性を伸ばすことは必ずしも対立することではないということを頭に入れて、再構築のスキームは考えるべきだろう。