日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

【メモ】FMCとプレゼンス・サービス

携帯電話市場では、今年、大きな動きが2つある。

そのような中で固定電話と携帯電話の両サービスの融合(FMC)を目指す動きが注目されている・・・というような業界の動きがある。

ただ、そこで言われているFMCサービスは、

  • 固定電話と携帯電話の請求書を一本にまとめまる
  • 固定と携帯のネットワークを屋内と屋外で切り替えて使う

というようなものにとどまっている。

2点目のサービスは、固定と携帯では料金がまだ携帯の方が高いため、オフィスや自宅に戻ったら自動的に携帯から固定のネットワークに切り替えて利用できるようにする・・・つまりユーザは利用場所によって料金の多寡を気にすることなく、携帯を使い続けることができるというようなものだ。

このサービスは当然ながら、携帯電話の料金が固定電話と同等になってしまえば、利用価値はなくなるので、一過性のサービスになる可能性が高い。

というように、事業者にとってFMCサービスはあまり美味しくないサービスとなっており、実態として積極的なサービス展開はあまり望めないのが現状だ。

なぜならば、NTT、au/KDDIそしてソフトバンクもグループ内ないし一企業の中に両サービスを抱えているため、自らの収入を減少させるサービスを積極的に出すとは考えずらい。

そこで視点を変えて、コミュニケーション市場で今、業界がどうなっているかを見てみると・・・リアルタイム・コミュニケーション(RTC)というものが注目されているらしい。

リアルタイム・コミュニケーションとは90年代初頭であれば、固定の音声電話市場(加入電話とISDN)ぐらいしかなかったもの。現在では、上記電話市場が携帯と固定に別れ、それがさらにIP化されている面と、テキスト通信(メール、チャット)、映像通信(テレビ電話、テレビ会議)などと広がっている。

ユーザはそれらのメディアを自分のTPOに合わせて使い分けているわけだが、それをネットワーク上の機能として提供するサービスにプレゼンス・サービスというものがある。

恐らく、FMCサービスはこのプレゼンス・サービスの一種、初期形態と考えられ、FMCという視点でサービスの発展を考えるのは、限界があるであろう。各種アクセス回線がユーザにとって選択的に利用できる環境をどのようにマネジメントし、使いやすくするかというサービスの中に位置づけ考えてみる必要があるのではないかと思う。

こういう視点は、昨今のレイヤ別の市場の見方に加えて、サービスが多様化・分化している旧音声(現RTC)市場の分析をする上では有益な視点であるように思われる。

RTC市場は大別すると、P2Pコミュニケーションとコラボレーションの2つに分けられるであろう。

前述のプレゼンス・サービスについてはここを参照してください。

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