プロジェクトは多かれ少なかれ、企画書の通りには行かないものだ。それは企画書がクライアントの要望を十分取り入れたものになり、多くの場合、未知の領域を含むものとなるからだ。
クライアントの要望がそういう領域まで求めているとき、その部分について「やったことがないからできません」と言っていては、仕事は受注できないし、われわれのスキルも向上しないであろう。
さらに、学問の世界では、回答が出なかったというのも言ってみれば貴重な情報(≒結果)の一つなのだが、我々の世界はそれはほとんど許されない(・・・という言い方は不正確だということに気がついた。学問の世界でもやはり回答は出さなければいけないことに変わりはない。ただ問われる内容、次元が異なると言った方が適切か?)。クライアントはそれでは納得してくれないからだ。契約上も許されないだろう。
当初の予定通りに進まなかったときには、次善の策を講じなければならない・・・というよりは何らかのやりようはあるわけでそれを求めるのがわれわれの仕事なのだと思う。そのとき、十分な成果が挙げられるかは、クライアントとの協力関係のあり方にかかっていると思う。
仕事を発注してもらっている相手といかに協力関係を築いていくか?・・・ここが非常に重要だ。言い負かすのでもなく、言いくるめるのでもなく、状況をしっかり理解してもらい協力してもらえる状況を作り出す。ここが非常に大事なところだと思う。
アカデミックな世界ではやらないようなことまで含めて、ありとあらゆること、可能な限りのことをやり、答えを求めていく・・・ただし、その答えに、理論上の問題点も明らかにした上で、ウソやごまかしはない・・・というぎりぎりのところで答えを求めていくのが、この業界の仕事だ。
僕らの仕事は、繰り返しになるが、相手を言い負かすことや言いくるめることではなく、説明して納得してもらい、そのアウトプットを仕事に活かしてもらうことだ。
そこを十分考える必要がある。
そういう時、資料に誤字脱字、数字や図表上の間違いがあったら、それだけで信用を落とすことになる。
自分が相手の立場に立ったとき、どう思うかを考えて行動すべきであろう。
そういうときに言い訳はいらないのだ。