日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

金田丸のKTNさん

なぜかしらねど、いつの間にか名前を覚えている。

それまでカウンターで2回ぐらいしか呑んでいない・・・と書いても、親しく談笑したわけでもなく、単にたまたま席が隣だっただけでほとんど話していない・・・と思う。

でも、KTNさんは、僕の名前を知っている。昨日はついに恵美さんの名前まで覚えられてしまった。

そして数年来の知り合いのように、(当然、KTNさんが先輩で)話している情景がそこにはある。夕べなんざぁ、こんな具合。

KTNさんが帰ろうと思って二階から降りてきてふとカウンターの端に目をやると・・・

KTNさん「あれ、野口がいるじゃねえか。N子、何でいるんだ? 野口が。」
・・・とN子になから抗議しながら、僕のそばに来た。ちょうど恵美さんが来ていたので・・・

KTNさん「こちらはどちらさんですか」
N子(ちょっとむっとしながら)「野口さんの奥さん」
KTNさん「そうかそうか。それじゃ割って入っちゃ悪いな。じゃあ、俺はこっち」

それでKTNさんはカウンターの中央あたりに陣取ったわけです。それからは独壇場ですね。はい。

KTNさん「おい、野口、お前の出身はどこだ?」
僕「は、神奈川であります」
KTNさん「じゃあ、東京もんだな」
僕「いやあ、神奈川でも大磯ですから、田舎ものです・・・おまけに両親は群馬ですし・・・」
KTNさん「いや、神奈川なら東京もんだ」
続けてKTNさん「俺は、三重だ。四日市。だから俺は田舎もん。恵美さんはどこだ?」
恵美さん「住んでいるのは神戸で、出身は徳島です」
KTNさん「じゃあ、恵美さんも田舎もんだ。田舎もんには方言がある。でも東京にいるときは東京弁を話す。だから今も東京弁を話している。ところで東京もんが話す言葉を標準語っていうのはおかしいだろう。だから俺は東京弁って言うんだ。」
僕「なるほど」(じゃあ、日本橋の人たちが話す下町言葉は東京弁の中のさらに一方言ということになるのか・・・などと僕は考えながらKTNさんと話していた)
KTNさん「三重も是非いってみるといい。伊勢神宮なんかは行くと歴史を感じる」

・・・話変わって

KTNさん「俺は人の名前は一回で覚える。野口と奥さんの恵美さん。もう覚えた。覚えるこつはその情景で覚えているんだ。だからすぐ名前が出てくる。」
僕「じゃあ、例えば東京駅で僕とそれ違ったらわからないかも?」
KTNさん「それはありえない。お前は太いから・・・体型まで覚えている」
僕「なるほど」
KTNさん「でも、野口は俺が東京駅を歩いていても分からない」
僕「えっ、なぜ?」
KTNさん「当たり前だろ。今の俺はただのおっさん。昼間はもっとびしっとしているから別人。今日は背広の上下がばらばらだから格好悪かったけどな。回りにはお付がいるし、全然ちがうんだ。だから野口が東京駅で俺を見かけても絶対気がつかない」
僕(腹の中ではニヤニヤしながら)「なるほど、確かにそうかもしれないです」(再び、今度絶対どっかで見つけちゃおうって不届きなこと考えちゃってました・・・笑)

・・・さらに時は過ぎて

KTNさん「N子、じゃあ、俺は帰る」
N子(不敵な笑みを浮かべながら)「あらもう帰っちゃうの?まだ一杯しか呑んでいないのに・・・」
KTNさん「何言ってんだ。俺は上で何杯のんだと思っているんだぁ」
女将さん「もう忘年会は今日でお仕舞?」
KTNさん(苦笑いしながら)「明日まだある・・・じじたちのやつが」
女将さん「じゃあ、まだ年の瀬の挨拶は早いわね。ここは三十日までやっているからお待ちしています」
KTNさん(うれしそうに)「なにいってんだあ」といいながら席を立ち出口へ。

・・・なんてことを話しながら、KTNさんは巾着袋を下げて帰っていったのでした。

しかしね、不思議な魅力を持っている人ですね。でも部下にはなりたくないです。えらい怖そうだから。僕は金田丸であって、いろいろ話を聞けるだけで十分ですね。いろいろ勉強になります・・・はい。

KTNさん、来年からもよろしくお願い致します・・・m(_ _)m

・・・ここに書いてあることは、多少の脚色はありますが、昨晩の金田丸で実際にあった一情景です。