日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

算数と数学の不幸な位置づけ

「あんなの勉強したって大人になってから全然使わない」、「だから勉強する意味がない」、そしてついには「勉強する必要はない」とまで言う人がいる数学だが、本当にそうなのだろうか。

人間は感情的動物であり、論理的思考のできる生き物だ。その論理的思考を養うのにもっとも適しているのが数学だと考えれば、微分積分を大人になって使わないからといって、勉強する必要はないとは言えないだろう。思考能力を鍛錬するためのものだと考えれば、算数や数学の位置づけが明らかに変わるはずだ。

僕も高校の頃、数学が苦手で文系の受験科目を選び、数学とはおさらばしてしまった人間だ。そして今、仕事の上では、少なくとも経済学や統計学をやるにあたって数学のお世話になっているばかりではなく、論理的思考を要求される。これはビジネスに従事しているものなら誰でもそうであろう。

ビジネスは好き嫌いだけでは前に進まないのである。損得を感情抜きにドライに考え、進める必要があり、そのときに当然論理的思考は必要とされる。文系コースに進んだ人も数学の勉強は絶やさない方がいいのは僕の経験からは明白だ。

経済政策を考えるには、よく「暖かい心と冷静な頭」が必要だというが、「冷静な頭」に自分の柔な頭を鍛え上げるのに必要なのが数学だと言えるだろう。

算数や数学に対する意識を変えるところから我々は始める必要があるのかもしれない。