日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

競争評価2004:調査設計

集めるべき情報(以下の記述は、土木学会編「非集計行動モデルの理論と実際」1995年からの引用および参考にしました)

【選択肢について】

選択結果に加えて、その選択にあたって比較対象となった選択肢の範囲を明確にする必要がある。

【選択主体の属性や状態】

各選択肢に対する効用の違いは、選択主体の属性からも影響される。効用の違いは以下のように示される。

1) 選択肢特性変量1単位が効用にもたらす影響(効用関数の係数β)
2) 選択主体がある選択肢にもっている好みや偏見(効用関数の定数項α)
3) 各選択主体のもつ効用の確率項εの分布

同じ属性を有する主体にはこれらに共通性があると考えられる。以上のような情報を適切に集めることにより、離散選択モデルでは、属性の影響をモデル上明示的に扱えるという利点がある。

具体的な属性の取り扱い方法としては、
1) ダミー変数をモデルに加える
2) 属性ごとにことなったモデルを組み立てていく
というような方法が考えられる。

また通信サービスの選択時に考慮する必要があるかどうかは検討する必要があるが、その場面場面での状況が選択行動に影響を与えることも十分考えられる。特に交通手段の選択などは典型的だろう。その場合には選択にかかわっていると考えられる要因をやはり考慮しておく必要がある。

属性データは集計化の段階の重要な情報となるので、母集団を代表しているかどうかを確認できるようにしておくことが望ましい。

【選択肢の特性】

効用の算出は、実際に選択されなかった選択肢も含めて行われる。このように選択されなかった選択肢の情報も必要とするところが、離散選択モデルの特徴となる。

この場合、問題になるのは、選択されなかった選択肢に関する特性情報の収集である。普段あまり意識してないで選択している人がほとんどであるとすると、この情報を正確に知ることは非常に難しい。

但し、通信サービスに関しては、選択肢特性に関する情報は比較的、事後的に収集しやすいのではないかと考えられる。つまり選択肢特性は事後的に作成することも可能である。

関連記事 競争評価2004:サンプル