日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

離散選択モデルより求められた便益評価の信頼区間

金額が信頼区間95%で幅をもって算定されるのは、1)式の信頼区
間が反映されている、という考え方でよいのでしょうか?
その場合の実際の計算手順がいまいちピンときていません。

一般的な考え方のおさらいから・・・

母平均の推定

N(μ、σ2)に従う母集団Xからの無作為抽出サンプルがあったとする。このとき、標本から計算される平均をx_var、分散をs2とする。このとき、以下の関係式からt統計量が求められる。

t = ((x_var - μ)/sx)*(n-1)^(1/2)   ...1)

1)式は自由度n-1のt分布をする。この式からXの分布範囲を知ることができる。一般にn個のサンプリングでt分布表から引いた信頼係数(1-α)に対する自由度n-1のt分布の値をt_1-αとすると、母平均μの推定式は、

x_var - t_1-α * (sx / (n-1)^(1/2)) <μ
         < x_var + t_1-α * (sx / (n-1)^(1/2))    ...2)

この2)式から得られるx_var - t_1-α * (sx / (n-1)^(1/2)) の値がμに対する下の信頼限界であり、 x_var + t_1-α * (sx / (n-1)^(1/2))の値が上の信頼限界になる。

さて、今回の柘植論文の95%の信頼区間だが、上記のやり方で求められるのかと思ったが、どうも違うらしい。

それを知るには、Krinsky, I. and Robb, A.(1986), "Approximating the Statistical Properties of Elasticities," Review of Economics and Statistics, Vol.68, pp.715-719.を読まなければならない。