日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

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つまらない日本シリーズだった

3年ほど前にプロ野球が面白くないという記事を書いた。その時は、野球のプレーそのものの面白さ、醍醐味を伝えきれないマスコミを批判したものだった。マスコミを批判したが、その批判はマスコミだけに向けたものではなかったのだが、そこがどこまで伝わったかは分からない。

mnoguti.hatenablog.com

さて、今年の日本シリーズ、昨年と同じカード、ホークスとジャイアンツの対戦だった。昨年は4勝0敗でホークスが圧倒的な強さで日本一になった・・・ということで、今年も同一カードでの日本シリーズということで、ジャイアンツが雪辱するか、それを迎え撃つホークスが昨年度と同様の強さを示すのか・・・日本シリーズが面白くなるのはジャイアンツ次第だった。

野球 スタジアム

野球はどこに行くのだろう・・・

結果は、一番望まない形だった。また4タテを喰らうという不甲斐なさ・・・しかも試合内容もお粗末だ。4タテ食らっても内容が手に汗握る、紙一重であればまだしも、圧倒的な力の差、技術の差、パーソナリティの差が目についたつまらねえシリーズだった。どちらが勝つにしろ野球の醍醐味、面白さを味わいたかったファンにとっては残念では済まされないような惨敗だ。

 

これで気づいてみれば、パリーグの8連覇だ。2013年から8連覇、V9の時の巨人に匹敵するパリーグの強さ。一球団ではないけれど、パリーグで8連覇(8回のうち5回がホークス)。これはこれですごい記録だ*1。来年は9連覇がかかる。あの巨人に並ぶのだから。


 

今回のシリーズ、あまり見ていなかったが、少し見ていた範囲で感じたのは、両チームの選手のプレーで差があったのは、強い弱いとか上手い下手とかいう以前に、何というか、目の輝きというか、躍動感というか、楽しんでプレーしているような雰囲気がジャイアンツからは全く伝わってこなかった(少なくとも自分には)ことだ。

これでは勝てないよ。ホークスからはそういう雰囲気が画面を通してすごく伝わってきた。試合をする前から勝負はついていたって感じ。どうしてそうなるのか?

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どこかの解説者が、セリーグパリーグの野球は違うみたいなことを言っていたが、そういえば、セリーグの試合、シーズン中からあまりワクワクしながら見ることってなかったような気がしないでもない(あまり見てないけど)。

つまりはセリーグの試合が面白くないってことになるが、どうなのだろうか。

これが続くとますますプロ野球を見なくなる・・・と思う。今のままなら都市対抗野球の方が面白い。

 

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*1:こちらの日刊スポーツのサイトに歴史はまとめられていて確認するのに便利だ。

www.nikkansports.com

【日本橋本町】そばよし:鰹節問屋直営、ここのそば汁は当然ながら美味しい

江戸橋の北詰交差点の近くにある。お蕎麦屋さん・・・以前は立ち食いだと思っていたが、今回行ったら椅子があった。オープンは2001年ということで、その当時、何回か食べたことがあったが、その後、遠ざかっていた。

 

こちらのそばよしさんは、鰹節問屋の直営なので、そば汁が売りだ。今回、夕方の散歩でたまたま近くを通りかかり、目に入ったので、久しぶりに立ち寄ってみたくなった。

天玉そば 美味しい

天玉そば・・・美味しい

店頭で券売機から購入するが、こういう時に食べるのは、定番の天玉そば。そば汁の味を堪能したいのなら、かけそばにしておけよという突っ込みがあるかもしれないが、美味しいそば汁と天ぷらのコラボレーションした味もこれはこれで捨てがたいということで天玉そば。

 

ネギはお店の方でその必要の有無を聞かれ、必要なら入れてくれる。大目に欲しいなら大目にと言えばサービスしてくれるかもしれない(未確認)。そして七味はテーブルにあるので、これはご自由にどうぞというところ。自分としてはネギ多めが好きだが、そこに七味を適度にかけるのが好きだ。

そば 柔らかい 汁 あっさり

そばは柔らかめ、汁はあっさり

最初にそば汁をすすり、味を確認。化学調味料は使っていないので、妙なしつこさはない。あっさりとしたそば汁だ。この味が物足りないという人は、化学調味料の味に慣らされているということになる。そして天ぷらとそば汁のコラボ。これが美味しい。

 

そばは柔らかめか。箸で手繰ってふうふうしながら食べるが、もう少しエッジが効いていたもよいかも。写真を見てお分かりの通り、丼にはそばが入り、そこにあふれんばかりのそば汁がかけられている。おまけに、そば汁はお替りできるみたいだ。さすが出汁にこだわっているだけある。

鰹節問屋直営 そば汁

鰹節問屋直営だけあってのそば汁

そば汁を堪能して、そばでお腹を膨らまし、天ぷらで味変を体験する。美味しいおそばでいろいろ楽しめ、そしてかつおだしの効いたそば汁を味わえる。いいお店です。

ごちそうさまでした。

 

関連ランキング:立ち食いそば | 三越前駅日本橋駅新日本橋駅

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クリスマスツリー2020①:三越新館入口のツリーはシンプルなようで実は・・・

勤労感謝の日が過ぎると世の中は一気に年末モードになる・・・ということで久方ぶりにクリスマスツリーの話題などを。

 

今年、最初に目にしたツリーは、三越新館入口に飾られているツリー。毎年、変わるので今年はどんなツリーだろうと楽しみにしているのだが、今年は遠くからのパッと見にはシンプルな単色のツリーかと思った。

三越新館 クリスマスツリー

三越新館のクリスマスツリー

ところが近づいてみると違ったよ。

 

下の写真はちょっと明るく映りすぎているきらいがあるが、赤いリンゴが実っているようない感じに見える。なかなかきれいだと思い、信号を渡ってさらに近づいてみると・・・

シンプルなツリー

シンプルなツリーに見えますが・・・

 

さらにいろいろとデコレーションされていた。大小いろいろな飾りがもみの木を飾っていて、暗く遠めからは見えず、シンプルなツリーが盛りだくさんの感じで、これは昼間か、夕方のまだ明かりが残っている時間帯に見た方がきれいさが映えるのかもと思ったり。

色々

色々

近くで見ると・・・

なかなか見ごたえのあるツリーでした。

さて、次はどこのツリーを見に行こうか。

 

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二度上げ峠からの浅間山:ここからのビューイングはまた格別です!

やはり北軽井沢に行った時は、浅間山に挨拶していかないと・・・特に天気が良くて浅間が顔を出しているときは尚更だ。今回は本当によく晴れ渡って気持ちのいい日差しだった。

 

そこで帰り道をいつもの軽井沢から上信越道ではなく、二度上峠を越え、倉渕から高崎方面に抜ける道で帰ることにした。当然、二度上峠からの浅間山を見るためでもあった。 

二度上げ峠 浅間山

二度上げ峠より浅間山

二度上峠から見るのはすごく久しぶりだ。昔、ちょうどこの頃(11月の下旬か12月の上旬だったか)だったか、下秋間でゴルフがあり、雪の中を4WDのVitzで越えたことがあったが、あの頃以来かもしれない。10年以上前だ。ちなみにこの時は自分は、送り迎えの運転手でプレーはしていないw

 

ゴルフといえば、北軽井沢で練習するときはこの二度上峠に来る手前にある練習場までは来るのだが、ここまで上がって来ることはほとんどない・・・ということで本当に久しぶりの二度上峠からの浅間山

浅間山

いつもの浅間山と少し違う

こっちの引いた風景の方がその雄大さが伝わるだろうか。ここからの眺めは本当に気持ちがいい。逆に浅間山直下の六里ヶ原からの浅間もそれはそれで迫力あるが、ここからはまた違った迫力を感じる。

 

浅間山の手前に広がる草原はおそらく浅間牧場だと思う。その右横には私のホームコースである軽井沢高原ゴルフ倶楽部がある。標高が高いので空気も澄んでいる(当然、紫外線も強い)こともあり本当に綺麗な眺めだ。

初冬 浅間山 もうすぐ冬

もうすぐ冬景色・・・初冬の浅間山

この季節、例年は浅間山に雪があることが多い。真っ白でなくても日陰には残っているとか、何しろどこかに雪があることが普通ではないかと思うが、今年は全くなかった。

 

これでそのまま雪がない冬になるのかというとそれがまた予測不可能なので年明け以降どうなるかは乞うご期待というところ。今年は月一北軽訪問は1月から3月にかけて実行しようと思うので、雪があるかないかは都度報告していきたいと思う。何年か前の大雪のようなことは勘弁して欲しいがw 

二度上峠に実際に行って浅間山を見てみたい人は下の地図を参考にどうぞ。

 

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【人形町】人形町 兎屋:昼は行列店、行列のない夜を狙って行きました

お昼時間に人形町交差点を小伝馬町方面へ行くと、右側の歩道に行列ができている・・・そこは、人形町兎屋さん。つけめんやらーめんのお店だ。いつも行列なのでいつか行ってやろうと思っていたが、今回、日曜日の夜(と言っても午後6時という早い時間だったが)、散歩がてら行ってみた。

 

いつもは人通りが結構あるが、休日であることと、最近の状況なのでこの時間でもすでに人通りはまばらだ。ついでに店内もまばらだった。つけ麺にしようか、ラーメンにしようか迷ったが、ここはつけ麺でと決めて、入口左手(写真だと看板の下)にある券売機で購入して入店。

はじめて 人形町 兎屋

初めてきた・・・人形町兎屋さん

メニューはいたってシンプルでつけめんからーめんの2択、その量がつけめんなら並盛、大盛の2種類、らーめんなら大中小の3種類とあるだけだ。ほかにトッピングが生卵、味玉、のり、ねぎ、メンマ、小松菜、チャーシュー。

半券渡してしばらく待つと出てきました。今回はつけめん。スープからは魚介の香りがいい感じで立ち上る。食欲をそそる。そして麺、ちょっと多かったが、色といい、平麺(だと思う)だけど微妙に波打つその姿といい美味しそうだ。

つけ麺 大盛

食べたのはつけ麺(大盛)

どうですか?特にこの麺、見れば見るほどおいしそうだ。この時はお腹が空いていたので、不覚にもスープにどっぷりつけてパクパク食べてしまったが、今、思い返してみると、麺だけで食べてみてもよかった。

 

麺を素で食べるのはつけめんの時しかできないから、もったいないことをした。おそらく麺だけでも美味しかったのではないかと思う。写真を見ると改めてほれぼれするほどのおいしさを漂わせているではないか。つけめん食べるときは是非試してもらいたい。

麺

スープ

麺もスープも美味しい

そしてスープ。これが想像していたのと違っていた。当然のようにこってり濃厚系を想像していたのだが、どちらかというとサラット系でいろいろな具材が入っていて、いい感じの魚介系スープだった。

 

このスープに素敵な麺をつけて食べる・・・なかなか美味しい。これなら行列を作るのも分かろうというもの・・・というわけでゆっくり食べればいいものをあっという間に食べてしまった。

次回 ラーメン

次回はラーメンを!

今回はつけめんをいただいたが、次回は是非らーめんを食べてみたい。らーめんがまた美味しそうなのだ。

ごちそうさまでした。

 

関連ランキング:ラーメン | 人形町駅小伝馬町駅水天宮前駅

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氷結ピノ・ノワールに岩手産ブルーベリー:美味しさが改善したピノと期待させる新人のブルー

ちょっとした時にグビッとやるのにちょうどいい・・・氷結シリーズ。この手の缶酎ハイは他のメーカーからも出てるけど、自分は昔から氷結を好んで飲んでいる。

 

いつもはレモンかグレープフルーツだが、この氷結、季節季節に限定ものが出るのでそれが楽しみでもある。

氷結 限定 ピノ・ノワール 岩手産ブルーベリー

氷結の限定もの:ピノ・ノワールと岩手産ブルーベリー

・・・で、これを飲むのは主に北軽井沢がなのだが、東京から深夜に到着するとそのままセブンイレブンへ直行して、店内に入ると真っ先に缶酎ハイの棚を覗いて確認するのが恒例だ。

今回も同じように脱兎の如く缶酎ハイの棚を覗くとあるではないか、出ていると教えられていたピノ・ノワールが!これは買いで即決。そしてその横を見ると・・・おや?見慣れない氷結があるではないか!・・・とこれが岩手産ブルーベリーだった。こちらは今回初めてお目にかかる。

 

速攻、ピノ・ノワールをいただいたが、こちらは去年より数段美味しくなっていた。これならリピートするよって感じ。そして来年が楽しみだ!と気の早いこと。一方、岩手産ブルーベリーはまだ手をつけていない。

昨年、初めて飲んだピノに裏切られたあの二の舞になるのではないかと勝手に悲観しているw

まあ、そのうち飲むけど、ちょっと楽しみに取っておこうといったところ。

ピノは本当に美味しゅうございました。定番メニューにして欲しいと思います。

 

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八ッ場ダムあがつま湖:わが思い出の弁天橋は・・・何処?

昨年の夏に完成した八ッ場ダム。それによって出現した巨大なダム湖・・・あがつま湖命名された。

 

今回、時間があったので久しぶりに訪ねてみることにした。前回、訪ねたのは昨年の8月だった。まだ試験的に水を貯めている段階で、この後、台風による大雨であっという間に満水になったのは記憶に新しい。

mnoguti.hatenablog.com初冬の冷たい風が吹く中、空は晴れ渡っていたが、湖面はさざ波が立ち、ダムの上の道では風に吹き飛ばされそうになりながら満水のあがつま湖を見学した。

満水 八ッ場ダム

満水の八ッ場ダム

ダムの上の道路から見下ろした下流側。あがつま湖よりも最初にこちらの谷の深さに改めて驚いた次第。昔はこの下の方を国道が走っていて、冬になると日が落ちるのが早く、すぐ暗くなるのが嫌だったことを思い出した。

下流 渓谷 谷の深さ 印象的

下流の渓谷の谷の深さが印象的

ダムの上部からは放水していなかったが、視界から外れる下の方で放水していたらしく水しぶきが高く上がっていた。それに日があたり虹が絶え間なく出ていたので動画で撮ってみた。

水しぶきが上がっているのがお分かりいただけるであろうか。後ろから強い風が吹きつける中、高所恐怖症の人間が谷底の風景を撮るのはなかなか勇気がいることだった。本当にスマホを風で持っていかれるかと思ったyo。次は天気のいい時に来たいものだ。

 

振り替えればあがつま湖の湖面がずーっと奥まで広がる。川原湯から西側だ・・・画面中央下あたりに丸山(丸岩)が見えるがその対面あたりが弁天橋があったあたりだろうか。懐かしい。

丸山

丸山

丸山(丸岩)は昔と変わらず

手前に見えるのは八ッ場大橋、その奥に橋脚だけ少し見えているが、それが不動大橋だ。そしてこのダムの上も渡れるようになればランニングコースとして結構いいんじゃない・・・と思ったのは僕だけではあるまい。距離も結構取れるのではないか。来春は是非走りにこようと思う。

 

こちらは八ッ場大橋から八ッ場ダムを見るとこんな感じだ。山々はすでに冬景色だったが、空は抜けるように青く、気持ちのいい晴れ間だった。駐車場に車を止めて、ゆっくりと時間をかけてあたりを散策して、その後は川原湯温泉で一風呂浴びて帰るというのもいいのではないか。

八ッ場大橋 八ッ場ダム

八ッ場大橋から八ッ場ダムを望む

来春は是非、あがつま湖周遊ランニングと周辺の散策そして温泉で一休みを実行しようと思う。

恐らく、この八ッ場ダムあがつま湖ができた影響だろう・・・長野原を通る国道145号線の交通量が増えたような気がする。観光客も、こういう時期だが、それなりに増えているのだろう。ダムとダム湖ができて、それで地域の活性化がどこまで進むかこれから見守りたい。

 

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ビーエムくん、冬用タイヤに履き替えた・・・今度の冬は走るぜ!!

早いもので、もうこの季節になりました。毎年、11月の中下旬で実施しているビーエムくんのタイヤの履き替え。もちろん、夏用から冬用タイヤへの履き替えです。

 

昨年までは、履き替えるときは北軽井沢に置いてあるタイヤを積んで都内のディーラーまで行っていたが、今年から時間と費用節約で、地元のスタンドで履き替えるようにしている。今回もそうした。時間は30分かからない、20分少しだろうか。あっという間だ。

冬用タイヤ ブリヂストン

冬用タイヤはブリヂストン

履いているタイヤは、ブリヂストンのブリザード・・・これを履いていれば一応は大丈夫。自分は、冬でも北軽にくる必要があるので、いつも履き替えているが、こちらに来なければ、冬用タイヤを準備することはなかった・・・と思う。その前に北軽井沢がなければそもそも車を所有してないな。

 

さて、10月17日に新しい相棒となったビーエムくん、今回の北軽井沢行で走行距離が1500キロぐらいまで行った。最初から慣らし運転はいらないと言われていたが、それでもなんとなくという事で遠慮しながら走っていたが、次回からは今まで通りのドライブになる・・・といってもあまり変わらないだろうけど。

燃費がいい

ラグジュアリも良くなっている感じ

そして格好がいい

今度のビーエムくんは素晴らしい

今回のビーエムくんは、3年7ヶ月乗った前のビーエムくんと比べるとマイナーチェンジがそこここにあるようだ。社内外の見た目、燃費、クルーズコントロールとか、各種セイフティ機能など買い替えて満足。丁寧に乗ろうと思う。

 

運転する身からすると、乗り心地がだいぶ変わった印象がある。変わったって運転が楽になったということなんだが、どこがどういう風にと言われると具体的に言うのは難しい。でも確かに運転するのが楽になったと思う。これでクルーズコントロールを使えるようになれば徳島までの長距離ドライブもさらに楽しくなろうというもの。

2020年21年の冬季は久しぶりに毎月1度の北軽訪問を実行することを考えている。ブリザックくんにも活躍してもらわないと。

 

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小川進著『QRコードの奇跡-モノづくり集団の発想の転換が革新を生んだ-:想像以上に面白い、そしていろいろ示唆をくれる内容だった

普段何気なく使っている技術・・・バーコードやQRコード。特にQRコード、これがあるおかげで日々の買い物がいかに楽にできるか。スマホ決済でお世話になっている人がほとんどではないだろうか。

 

そのQRコードがどのように生まれ、社会に普及し、今に至るかを丹念に教えてくれるのが、本書「QRコードの奇跡」だ。内容は研究書だと思うが、文体はビジネス書に近い。

技術革新 社会実装 いくつもの困難

技術革新が社会実装されるまではいくつもの困難が・・・

QRコードについて書くうえで、その前技術とでもいうべき、バーコードの開発から紹介されており、一つの技術がどのような背景から開発されたか、またその開発過程やその後の事業化で起こってくるさまざまな困難、さらには社会インフラとして普及していく上での取り組み、あるいは標準化の問題などが取り上げられており、興味深く読める。

内容は読んでもらえればいいのだが、自分がびっくりした点として、 トヨタのグループ会社のデンソウの一部門(現在は分社化してデンソウウェーブ)の技術者の取組みから始まった*1という点だ。自動車産業の効率化のためのQRコードの開発、元はと言えばトヨタ自動車かんばん方式の電子化がそのルーツだ。それを実現したのが、バーコードであり、その発展版がQRコード。その背景には、生産過程が大量生産から多品種少量生産へ変化したことから、より多くの情報を扱えるようになる必要があり、それで考案されたのであった。

 

本書は、以下の章立てからなる。

  • はじめに
  • 第1章 源流-アナログかんばんから電子かんばんへ
  • 第2章 開発-思索から実践へ
  • 第3章 標準化-国内単一業界から国際多業界へ
  • 第4章 進化-企業ユーザーだけでなく消費者も
  • 終章 QRコードを通じて経営を考える-革新の神が宿るところ
  • あとがき

消費者にとってなくてはならないQRコードになりつつあるこの技術が元はトヨタ自動車かんばん方式を支えるための技術であったとは知らなかった。しかも始まりは50年も前のことだ。現場での必要性から考えられたバーコード、状況が変わって進化を遂げたQRコード。それが標準化等を通し、国際化、多業界化していくダイナミズム。でもそれを実現しているのは、一人一人の人間の努力、英知以外の何物でもない。それが読みやすい文体で語られている。

分量としてはQRコードのこれまでの出来事が200ページ少々の書籍にまとめられており、その200ページから実に多くのことを知ることができる。一方で、このQRコードの開発に携わった多くの方たちの苦労はもっといろいろあったであろう・・・と読み終わった後、改めてページをめくると行間がそう言っているように見えてくる。最初はさっと読み、2度目はじっくりとという具合に2度読みしたい本だ。

 

著者の小川進氏は神戸大の教授であり、専門家が書かいた書籍であり、内容は信頼できる。文体は、非常に読みやすく、これからの技術戦略や技術政策を考えていく上で多くの人に読んでもらいたい書籍だと言える。特に大学生や高校生に読んでもらいたい書籍だと思う。

 

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*1:デンソウウェーブのHPにもQRコードの開発ストーリーが紹介されている。

www.denso-wave.com

【長文】携帯電話の料金、プレステ5の転売・・・ビジネスがやりにくい日本市場

料金(価格)水準は市場が決める。その水準を市場の外部から強制的に変更させることは無理がある。短期的には変更することができたとしても、長期的には市場メカニズムが調整機能を果たし、あるべき水準に落ち着く・・・こう考えるのが普通だ。そして実際そうなるだろう。

 

ユーザの立場にたてば、支払額は少しでも安い方がいいに決まっている。それは携帯電話料金に限らない。だから、アンケート調査で「高いと思いますか」とか「下げて欲しいですか」などと聞けば答えは決まっている。そんな結果を出し、自分の言い分の正当性を主張するのは意味がない。それよりも大切な事実は、数ある商品の中から皆が高いと言っている料金でその商品を購入しているということだ。利用者はそれだけのメリットをその商品から得ているのだ。

官邸vs携帯大手 値下げを巡る1000日戦争

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  • 作者:堀越功
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通信会社から見れば、それだけ価値のあるサービスを提供できているということだ。高すぎると言われて困った顔をすることはない。実際、たくさんのユーザがその料金を払い、使ってくれている。自分たちのサービスがそれだけ素晴らしいから、ユーザが購入してくれているのだ。ビジネスをやる者からすればこんなに嬉しいことはないだろう。

みんな メリット 大きい スマホ 価値

みんなが享受しているメリットは計り知れない・・・スマホの価値

仮に料金が高すぎれば(余分に利益を上げていれば)、そこにはもっと低い料金で(その利益を狙って)新たな参入者が入ってくる。逆に低すぎれば(安すぎる料金ならば)、事業の継続が困難となり、いくつかの企業は市場から出ていくだろう。通信会社やユーザに、そういう選択の自由、行動の自由があることがポイントだ。

仮にそのような選択の自由、行動の自由が妨げられる何か、市場メカニズム(競争)が機能することを阻害する何かしらの要因があれば、それは排除する必要があるが、それを見守るのは、日本の場合は、公正取引委員会であり、総務省であろう。

ポイントはその市場での活動の自由、選択の自由が確保されているかどうかだ。実際、国内の携帯電話市場には複数の通信会社が参入し、かつ、各会社の中でもサービスに選択肢があり、ユーザは自分の懐具合と使いたいサービスを比較しながら選択できるようになっている。

しかし、携帯電話はそこに一つ難しい問題がある。商売をするのに必要な電波は自由に使えない。公的部門が管理しており、そこから借りなければならないから「自由に」というところが制約を受ける。そこをどう手当てして自由を確保するかが政策担当者としての腕の見せ所だ。その他にも自由が阻害される状況はいろいろある。

 

仮に料金が高止まりしているということであれば、その原因を特定することがまず実施されるべきことだ*1。電波利用の自由度を高める、サービスを乗り換える際の手続きをシンプルにする、受益者負担の原則を徹底するなどの点がすぐに挙げられる。政策課題としてはこれらの点を除去することになる*2。直接、料金を下げろということにはならない。料金はあくまでも市場取引の結果として決められる。

 

今回の場合、その後、値下げを指示したわけではないとか、方向を示しただけだとか言っていたが、やはり立場のある人がそういう声をあげるというのはその影響を考えるべきだと思う。市場外から価格や利益に介入するということは、ビジネスをやっている者からすると、あのような口先介入がたびたび行われるこの市場ではまともなビジネスができないというシグナルとして受け取られる。日本の市場ではまともなビジネスができないと受け取られても良いのであろうか。またそういう市場で普段ビジネスをしている企業がグローバル市場でまともに競走できるのだろうか・・・と思うのは考えすぎか。

ビジネス 儲けると怒られる

儲けると怒られる・・・ビジネスやりずらいよね

そういう歪んだ市場、あるいは市場感があるからだろうか。今回のプレステ5の転売の話はやはり日本の国内市場の特異性を垣間見せた出来事と言えるのではないだろうか。

Sonyはもっと高く売ってよかったのに、売らなかった・・・と見える*3。今回の件は後から振り返ると違う側面が見えてくるのかもしれないが、瞬間的に見ると、自分で得られる(あるいは株主に還元できる)利益を放棄して、転売屋に儲けさせるという行為に見える。売り上げを大きくし、利益を大きくするためにはもっと価格と数量の両者の関係で見る必要があるが、今回の販売数量ならもっと高く売るべきだったのではないか。それだと購入できない人がたくさん出るということであれば、生産量を増やすべきだったろう。

 

仮に転売屋の行為が生産量が増えてくるまでの一瞬のことであれば問題にすることもない。メルカリに対応を求めるようなことをする必要もない。少し待てば入手できる商品について、早く入手することい価値を見出していた消費者が購入したにすぎないからだ。

今回の件は、Sonyに限らず、ヒット商品を持っているメーカーは直面することがあるのではないか。自分たちの売り上げや利益を最大化するという前提で建てられた戦略であったのか・・・自分たちの商品を市場で評価された正当な価格水準で提供する・・・そこができているのかという点を考えさせられる今回のプレステ5の転売騒ぎであった。

消費者の立場からすれば、高すぎると思うならばもっと自分で稼げるようにならないといけないということだ。そのためには何をすべきかを考えるところから始める必要がある。

政治の役割も考え直すべきではないか。

長々と書いたが、今回のこの2件をビジネスを成長させる、ひいては国の経済成長を実現させるという文脈で見ると、こういうことをやっているから日本は失われた20年とか30年とかから抜け出せないのだと思わずにはいられない。

 

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*1:だから公取総務省は絶えず市場を監視し、あるいは窓口を設け、そういう状況を把握できるようにしている

*2:これまでもやられてきたが、今回も対象になっている部分もある。

*3:単にマーケティングの失敗だったのか?あるいはもっと深い考えがあったのだろうか。