攻殻機動隊Stand Alone Complexの第4話に「視覚素子は笑う」という回がある。これはトグサの仲間から「警察内部に不審な動きを察知したので相談にのって欲しいとの」相談があり、その時、渡された数多くの証拠写真に、そのどこに証拠があるのかをトグサが気づくところがある。
その証拠とは、一枚としてその写真のどこにも写している人が写っていないということでそれが視覚素子の不正利用の証拠となるというストーリー。今回、機中で画面を見ている時、ふとその視覚素子の話を思い出した。
上の写真を見ると、写真には自分の顔がはっきり写っているのが分かるし、それを無視してディスプレイの画像だけを見るということはできない。自分の姿、顔と画像が重なって見えてしまい見づらいことこの上ない。
「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)
- 作者: 藤田一郎
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2007/05/20
- メディア: 単行本
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ところが、機内でこのディスプレイを直接見ていた時は、自分の姿が気になることはなかった。意識して自分の顔を見て初めて上の画像のように見えるのだが、意識しない限りはディスプレイの映像が見えているだけ。
今更だが、脳みそは自分が見たいものしか見ないようにするってのを改めて実感した次第。さて社会を観察することが仕事の自分として気になるのが、今、自分の見ている風景が真の風景であるのだろうかというところだ。無意識のうちに自分が見たいところだけしか見ないようになっていないだろうか。
そうではないとどうすれば証明できるだろうか。