日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

2017年日本経済学会秋季大会@青山学院大学

一応、自分もいくつかの学会に入っているが、ある意味、一番刺激を受けるのがやはり日本経済学会の大会への参加。

mnoguti.hatenablog.com

今年の日本経済学会は青学で開催

昨年の秋季大会は早稲田大学だった。久しぶりに参加していろいろ有意義だった。今年はどうしようかと思いながらプログラムを眺めていたら、初日、午前の部だと、「製品開発・製品差別化」、「国際貿易・直接投資」のセッション、ポスターセッションの「産業組織」、午後になって特別セッション「新時代の競争政策」など面白そうな発表がゴソゴソあったので、参加することに*1

午前中は、走っていたので午後から参加。浜町からは半蔵門線で一本、30分もあればDoor to Doorで着いてしまう・・・便利だ。まあ、それはどうでもいい。

f:id:mnoguti:20170909132629j:plain

今年も来ました日本経済学会秋季大会

仕事柄、大学には年に何回か訪問する機会があるが、やはり学会で来るとなるとちょっと違う。仕事と研究の差がここにある・・・などと適当に考えているが、青山キャンパスは中学や高校もあるので、キャンパス内に中学高校生がうようよしているからまたそれで雰囲気が違う。まあそれはいい。

ポスターセッションは活気があっていいですね

f:id:mnoguti:20170909132622j:plain

若手の研究成果を確認できるポスターセッションはいい!

 今回、初めてポスターセッションなるものに行ってみることにした。そこでは産業組織のコーナーに神奈川大学の山名先生がシェアリングエコノミーの経済分析の紹介をしていたのでそれをぜひ聞きたいと思い行った。そこで研究概要を聴き、今後も注目すべき研究だと確信し、山名先生に名刺を渡し、今後もよろしくと言って、他の発表ものぞいて回った。やはり自分の日頃の関心から、産業組織が一番興味深かった。詳しくは聴き損ねたが、競争政策とR&D活動の分析もあり、いろいろ刺激を受けた次第。

午後の特別セッション「新時代の競争政策:~経済学の可能性と限界~」

最近は競争政策なんて言葉は仕事上どっかに行っていたけど、最近、シェアリングエコノミー(ビジネスあるいはサービス?)のことを考えることがあり、この技術の影響は競争政策への影響という側面からどう捉えられるのだろうかなどと考えていたこともあり、これは聞かなければ!ということで聞かせていただいた。

Matchmakers: The New Economics of Multisided Platforms

Matchmakers: The New Economics of Multisided Platforms

 

伊藤元重氏が座長を務め、登壇したのは、まず、公正取引委員会委員長 杉本和行氏、東京経済大学 長岡貞夫氏の報告があった後、討論として「独占禁止法と競争政策における経済学の役割・活用」というテーマの下、まずNERAの石垣浩晶氏から経済学の役割・活用という観点から公取でのご自身の経験も踏まえて意見が述べられた。その後、そもそもの論題と石垣氏の内容を受ける形で前・公正取引委員会委員 小田切宏之氏、公正取引委員会 品川武氏からご自身の考えが述べられた。

印象としては、ミクロ経済学や産業組織論の世界では、競争政策はいかにあるべきかとか技術特性を加味した競争政策とかは議論されてきたと思うが、独禁政策という実務の世界では経済学は最近やっと本格的に取り入れられるようになってきたということを再認識させられた内容だった。

競争政策の実務面でこれからさらに経済学は役に立つようになるだろうという方向性が示されたと思うが、本当にそうなるのかはこれからの関係者の取り組み次第なような気がした。最近の政策はEBPMを志向するというか、それを目指しているので、それが本当に志向されるのであれば、経済学はより重視されるようになるのであろうが、討論者の報告を聞きながら、その方向を実践するのはこれまで以上の関係者の努力が必要なのではないかと思ったりした*2

そういう意味では、会場からの質問を聞いて見たかったし、報告者と討論者の議論をもっと聞いて見たかったと思う。

競争政策論 第2版

競争政策論 第2版

 

 

*1:ちなみに翌日には、「経済成長」、「労働生産性」、そして最後のパネル討論「技術革新と労働市場」があり、ぜひ聞いてみたかった。

*2:自分の身の回りを見回すと、経済学だけでなく、経営学にしろ社会学や心理学などの専門性ということに対しどうも意識が低いような気がしてならない。世の中が専門性を軽視する傾向が強くなってきているとすると、専門性(ここでは経済学)の活用を促進するのは難しいのではないかと思う。