日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

いろはのへ:モデルの限界と有用性

モデルはあくまでもモデルである。

 プラモデルもマクロ経済モデルも一般均衡モデルも部分均衡モデルもみんな共通しているのは、現実の世界のある一部を切り取ったものだということ。だから、現実を説明するモデルには限界がある。

タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.113 日本海軍 戦艦 大和 プラモデル 31113

タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.113 日本海軍 戦艦 大和 プラモデル 31113

 

 このプラモデル、日本海軍の戦艦大和の700分の1のモデルだが、これ、誰が見ても本物ではないことは分かる。スケールを縮小した上で見た目を精巧に作ってあるに過ぎない。エンジンもないし、弾薬も食料も船員も軍人さんも乗っていない。そういう点では戦艦大和の実際の見た目だけを再現したものに過ぎない・・・だから現実の一部を切り取ったもの。

社会現象も同じように注目する特徴だけを抽出してみることが必要な時がある。その時、モデルが登場する。マクロモデルや均衡モデルも、経済理論の観点から見える経済人や経済システムの行動、挙動を説明するために現実を抽象化し、単純化してそれを数学を使って表したもの(数学を使うのは必須ではないけどね)。よってそのモデルは寄って立つ理論が考慮していなかった要因に影響されると途端に説明力が落ちる。

フジミ模型 1/700 特シリーズ No.35 日本海軍航空母艦 赤城 プラモデル 特35

フジミ模型 1/700 特シリーズ No.35 日本海軍航空母艦 赤城 プラモデル 特35

 

そして多くの場合、線形モデルとなっている。複雑怪奇な心理を持ち、予測不能な行動を取る人間の行動が線形で表せるとは思うまい。それはあくまでも近似であり、ナイーブなものなのだ。人間の本当に一部分を表現しているに過ぎない。

どのように切り取るか(モデルでどのように人間行動、社会行動を表すか)は、その時の問題意識、課題、テーマによるし、切り取るための道具も、経済学、社会学、心理学、政治学など様々だ。各々のディシプリンはさらに細かい分野に分かれている。

この人間行動の一部を表していないモデルだが、われわれの仕事には必須だ。そして使い方さえ間違えなければ、非常に強力な武器になる。世の中の動きはどういう要因が絡み合って出てきているのか、それを解きほぐし明らかにしてくれたりする。

モデルは社会を観察する上で大切な武器なのだと思う・・・って何を書いているのかな?