日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

なぜガラケーユーザはガラケーを使い続けるか?

iPhoneが発売されて8年。現在ではAppleの他、サムスンSONYぐらいだろうか・・・国内で使われているスマホは。今、国内のスマートフォンユーザの比率は大凡半分ぐらい?半分程度が乗り換えた状況だ。逆から見ればまだ半分弱の人がガラケーを使っていることになる。

そのスマホ・・・やはりまだ浸透していないのかなと思わせたのが・・・Amazonプライム孤独のグルメを見ていたら・・・主人公の井の頭五郎さんが使う携帯って、いまだにガラケーだった(確認したのはシリーズ4まで)。五郎さんだけかとおもったら、ドラマに出てくる脇役の人たちもガラケー使っている場合が多い(ここは正確に把握していないけど)。

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今、自分はスマホ(現状はiPhone6)で電話するのは気にならず、普通に使っている、もちろんこれで仕事上の電話をかけることもある。でも使い始めたころは、スマホってのはこれで音声ちゃんと拾ってくれるのかとか、ディスプレイがほっぺたにつくのはなんとなく気持ち悪いとか思って、通話の場合は「ガラケーの方がいいな」と思っていた一人だ。慣れとは恐ろしいもので今はそんなこと感じなくなってしまった。

テレビのドラマでガラケーを使い続ける孤独のグルメを見ると、世の中のサラリーマンの中にはまだ相当にガラケーを使い続けている人がいるのだろうと容易に想像がつく*1。そうでなければ、ドラマの設定上何か目的があるはずだが、見ている限りはそんなものはないように思える。単純に、ドラマ制作担当者は携帯電話=ガラケーという構図で表現するのが視聴者にとって自然なんだろうと考えてのことだろう・・・と想像したりする。

総務省のタスクフォースで議論にもなっている携帯電話料金だが、それに対するメッセージと考えられなくもない。世の中のケータイ利用者はみんな高機能なスマホを望んでいるわけではない。通話ができれば十分、あるいはそれにメールが使えるだけで十分なんだという機器やサービスの選択肢の幅についての注文を暗黙の内に行っているという穿った見方もできなくはない。

少し前の話題だが、通信事業者は、このガラケーユーザをスマホに巻き取ろうと必死だというニュースが流れた。中身はスマホで、見た目はガラケーという「ガラホ」なる端末まで出して巻き取ろうとしている。もし、ガラケーユーザのニーズがその外見ではなく、利用サービスにあるとすると、ガラホは、サービスや料金をガラケーのそれをそのまま引き継がないとユーザには受け入れてもらえないだろうというのは容易に想像がつく。

このように通信事業者が必死になって巻き取ろうとしているガラケーユーザ。彼らはなぜ①ガラケーを使い続けるのか?②ガラホでは駄目なのか?③通信事業者はなぜここまで必死になるのか?といろいろなぞはあるが、少なくとも①と②については分かるような気がする。③は業界の中の話なのでいろいろまたあるのだろう*2

供給側の事情で減らしたいのならなおさらユーザー側がなぜガラケーを使うのかを考え、そのニーズを満たすような端末、料金・サービス戦略を取らないといつまでたってもガラケーがテレビドラマに登場することになるだろう・・・といったら言い過ぎだろうか。

*1:マンガ「さざえサザエさん」はそもそも携帯電話が一切出てこないので有名だが、しかも自宅にある固定電話は昔のダイヤル式だ。つまり昭和、しかも電電公社時代を描いているのだろうと考えればそれもありかと思う。

*2:一つは、それなりのユーザ層なのでここが草刈り場になるとシェアの低下を招くということがあるであろう。もう一つは製造コストが上がって利益率が悪くなるという点だ。あと部品の製造が終わるというのもあったと思う。