日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

通信量はトラヒック?あるいはトラフィック?

通信市場を分析するとき、視点は2つある。一つはそのサービスの利用(加入)の有無を分析する視点、もう一つは利用した人の利用量(通話・通信)を分析する視点。ここでは利用量を分析する視点が議論の対象。

通信市場は、現在、固定ネットワークの世界はブロードバンドサービスが月額定額料金で提供されいる(モバイルネットワークも傾向は同じで定額制になりつつある)。こういう状況であるがため、利用量を分析する目的は設備を管理する目的とマーケティングの目的があるが、マーケティングの視点から利用量が分析対象となることは少なくなってきた。

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この利用量、通信の世界ではTrafficという。さて、どう表記するか、発音するか・・・英語の発音通りにすれば、トラフィックとなる。最近はなるべく元の発音に近いように表記するようで、トラフィックという表記が増え、当然、発音もトラフィックと発音する人の方が多いだろうか。

この業界に入って今年で25年目になるが、入った当時は通信量についてはトラヒックというのが一般的な表記だった。おそらく当時の通信白書や郵政省(現総務省)の文章、NTTの文章などもトラヒックで統一されていたと思う*1

25年後の現在、変わったねえ。今はトラフィックとの表記・発音が一般的になってきている。ブロードバンドやインターネットの世界ではほぼトラフィックになっている感じだ。ただし、官庁の文章でも完全に統一されていなくて、旧来から使われている電話の通信量などは未だに「トラヒック」との表記が残っていて、それが混在しているのが実情だ。もしかしたらそこで使い分けているということかもしれないがそのような状況は通信会社なども同じ。新興企業はトラフィック、伝統的企業はトラヒックが残っているといったところか。そろそろ統一してもいいのではないかと思う。たかが表記の問題かもしれないが、使う方は使い分けが面倒だ。

実はトラヒックトラフィックの使い分けについては、昔は、交通量はトラフィック、通信量はトラヒックを使うことになっているという今となっては都市伝説のようなことが伝えらえていた。自分たちはこの話を聞き、それに従ってきたわけだが、今、このような考えで使い分けている人はほぼいまい。

現状だと、通信の世界で2つが混在し、あえて言えば、伝統的な電話サービスの通信量はトラヒック、それ以外はトラフィックという感じだろうか。現状のサービスの盛衰を見ていると、2025年頃にはトラヒックという表記はなくなるのかと思わないでもない。自然に任せるのもいいが、使い方について少し整理してみる時期ではないかと思う。

*1:当時は、他にも、NTTは「エヌテーテー」、KDDは「ケイデーデー」と発音する人も結構いたような気がする。