昼休み、本屋に立ち寄った時入り口近くに平積みされていたのが目の端に留まり、帯の文字が目に入る・・・「100万部突破!」
えっ、この本、もうこんなに売れたのかと思わず手に取って、最初の方を読み始める・・・そして最初に目に入るのが、この期に及んで出版をまだ迷っているという文章。そしてそれにはこう続く・・・「躊躇する第一の理由は、まず私が『新書』というものを出す柄ではないということです。『新書』とはそもそも、学術的側面において人様に知らしめるべき知識や技術や意欲を持っている人が記すものであり、私は、その範疇にはありません。」
この文章を読んた時、商売柄というのもあったのかもしれないが、俄然この本に興味がわいてきたのでした・・・「そうは言っても結局出版したんだ。何をどういう風に書いているのかな」という具合です。
読んでみると読める読める・・・面白く読めます。名は体を表すならぬ、文章は人を表すだなあと著者のテレビでの司会ぶりなどを思いだしながら面白く読ませていただきました。
内容は、3部構成になっています。
- 聞き上手とは
- 聞く醍醐味
- 話しやすい聞き方
この3部の中に35個の話題について軽快な文章で書かれているので、読むのにもちょっとした時間を見つけては読め、でもちょい読みはできず、ずーっと読みをしてしまい、あっという間に読了・・・って感じです。
聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書) 阿川 佐和子 文藝春秋 2012-01 by G-Tools |
読み終わって、否、読んでる最初から、学術とは何なのか・・・という難しいことは置いておいて、軽快な文章でインタビュー調査や聞き取り調査の極意?あるいはイロハが書いてあると解釈すれば、立派な「新書」だと思ったのでした。
久しぶりに読了した一冊でした。インタビュー調査や聞き取り(ヒアリング)調査に日ごろ取り組まれているみなさんは読んでみるといいかもしれません。