徳島吉野川市に帰省するとき、特に春の時期はお遍路さんを見かけることがよくあるが、あくまでも見かける程度で、実際どんな苦労があるんだか、どう準備すればいいのかなどまったくしらないし、考えてもいなかった。「お遍路さんは、宿代とか馬鹿にならないんだぞ」と聞いて初めてそうか資金も考えないといけないのかと気づいたぐらいだ。
そんな時目に留まったのがこの本・・・森さんの「バツイチおへんろ」だ。アラフォー女子による68日間の通し歩き遍路の道中記。なかなかお遍路さんの本で軽く読めるのがなかったのでちょうどいいとばかり購入。
バツイチおへんろ 森 知子 双葉社 2011-09-21 by G-Tools |
章立ては以下の通り。
- おへんろへの道
- てくてく徳島(編):1番霊山寺〜23番薬王寺
- くらくら高知(編):24番最御崎寺〜39番延光寺
- ちくちく愛媛(編):40番観自在寺〜65番三角寺
- うふうふ香川(編):66番雲辺寺〜88番大窪寺
- 高野山、そしてお礼参り
最初の徳島編では1番の霊山寺はいってみたことがある。それに道中が一番きついと言われる焼山寺・・・ここは車で行ったのでそのきつさは未体験。そのほかにも帰省先の周辺にはいくつかのお寺さんがあるので、何となく風景を想像しながら読めたからかもしれないが、読みやすかった。
内容は、歩き遍路をしている道中の土地土地の人々との交流や失敗談などが中心だが、一日の歩行距離が出ていたり、宿の情報が載っていたり、役立ったものリストが出ていたり、自分の遭難体験が詳細に書かれていたりで、歩き遍路の状況をまず知るのには良い本ではないかと思う。
文体も柔らかく読みやすい・・・特に文章の書き方が自分の育った世代のことに絡ませて書いてあり、同世代の人にはその育った時代感覚とともに読みやすいだろうと思う。お遍路さんのことを知りたければ、最初に手に取ってみていい本だ。
さて、これを読んで自分は何を考えたか・・・まず考えたのは、走って通し遍路をやるというのは、結構大変ではないかということ。著者が一番歩いたのは40キロぐらいではなかったかと思う。短い時は10キロぐらい、平均すると20キロから30キロぐらいだろうか。一日20キロから30キロというと、考えられるのは、午前中に20キロ、午後に10キロから20キロ走るというペース・・・つまり毎日30キロからフルマラソンを走ることになる。
これを休まず連日こなすのは無理だと思うので、3日走って1日休むぐらいでやるぐらいがちょうどいいのか・・・このあたりのペースをどう考えればいいのかがまず分からない。それに走るには身に着ける荷物を最低限にしておきたいから、そうなるとやはりサポートチームが必要か・・・などと考えたり・・・いろいろ課題はありそうだ。
本書を読んで、通し走り遍路をするために準備すべきことを考えさせられた・・・結論として、まずは毎日30キロから40キロを走れる脚力と体力をつけることが第一の課題としてやはりウルトラマラソンの練習を本格的にしようと思う。
50歳代前半で挑戦することを目標にしよう。