仕事をラクにするというよりは、自分の限られた資源をいかに有効に使って自分の夢を実現していくかということについて、100カ条にわたるポイントを挙げている。
目次は以下の通り。
- 第一章 基本編
- 第二章 インプット編
- 第三章 ネットワーク編
- 第四章 撃退編
- 第五章 独立編
- 第六章 継続編
- 第七章 組織編
- 第八章 時間編
- 第九章 アウトプット編
- 第十章 生活技術編
10章からなる構成で各章10件ずついかにしてラクをするかが述べられている。本書がいいのは、それが見開き2ページに簡潔にまとめられているところだ。各項目で述べられていることは、この手の本で述べられていることと大して変わらない。ただし、普通に淡々と描かれている印象。
ラクをしないと成果は出ない (だいわ文庫) 日垣 隆 大和書房 2010-02-10 by G-Tools |
目次に書いてある各項目を見るだけでも、頭の整理になるだろう。たとえば、第一章の基本編の二つ目には、「ゴールをかならずイメージしてから仕事に取り掛かる」と書かれているが、ここを読んだだけで中身は読まなくてもいいくらいだろう。あと主なものを挙げれば・・・
- 外部の人に自分の仕事のおもしろさが伝わらなければ、それはつまらない証拠
- よくわからなかったら、現場に行ってみる
- 自分に対する相手の優先順位を上げてもらうことが仕事の基本
- 情報収集にのめりこまない。情報とは「出会う」ものだからである
- アイデアは他人の頭で揉んでもらう
- 会いたい人にはできるだけ向こうから望んで会ってもらうように仕向ける
- NGな人には説明しない。NGな人とはモメない
- 三日かかることは一日でやる
- 「苦手なこと」は人の手を借りて解決する
- 本当に「良いもの」は自分で売ってみる
- 商売道具への投資はケチらない
- 「やりたいこと」を周囲に話しておく
- 「なるほど」と思ったことは、24時間以内に「やる」めどをつける
- 「何をしないか」を明確にしてゆく
- 今いるメンバーを前提にする。「上手くいかない」のを彼らのせいにしない
- インセンティブを高める工夫だけで、成果が上がる場合は予想外に多い
- 人を待たせない待たされても怒らない
- 出欠を迷うイベントには行かない
- ノウハウはどんどん公開する
- 「本格的に勉強したい」分野の仕事を引き受ける
- 数値目標とその根拠を明白にもつ
- 相手を飽きさせず一時間話せたらお金になる
などなど、目次の小見出しを見ているだけでも楽しい。目次だけ読んで、あとは自分で関心のある項目だけ拾い読みするのもいいだろう。
まず目標を持つことが大事であり、その目標を達成するために自分の強みを知ることが大事だろう。そして自分の時間など使える資源は限られているのだから、回りに仲間がいることが大事、邪魔なものを排除することが大事ということになる。
個人レベルでも比較優位と機会費用を考えながら、自分の目標(必ずしも仕事ではない・・・と思う)を実現していくための100カ条っていう感じかな。
ラクに読めるので、仕事で行き詰まった時など、気分転換に読むといいのでは?
・・・とここまで書いたときはまだ「おわりに」と「文庫本のためのあとがき」は読んでいなかった。本書の狙いはこのあとがきを読むと明らかになる。極端なことを言えば、錆ついたビジネスルールで身動きが取れなくなっているビジネス界に小さな革命を起こすためにやるべきこと、注意すべきこと、心がけるべきことが書いてある。軽いけど、重い本なのだ(笑)