日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

知識や情報の生産体制

情報の時代が本当に来るならば、今、われわれが問われているのは、情報の時代に相応しい、知識や情報の生産体制がどうあるべきかということだろう。

それは当然工業の時代に存在したシンクタンク等の知識産業の生産体制とは異なってくるはずだと思う。

今、シンクタンクや大学も含めた旧時代からの知識産業、情報産業はいろいろな環境の変化によってこれまでの収益モデルが成り立たなくなってきている。その一方、新興のICT企業が急成長している。そして情報や知識が今後経済を成長させるエンジンになるとまで考えられている。

この状況をどう捉えるか?

現状をどう捉えるかで対応は当然対応は異なってくる。仮に情報の時代が来るという視点から考えるならば、知識や情報を生産する産業の再構築が必要とされているのではないか?

例えば、製造業などの企業は不況期になると業績を維持するためコスト削減を行う。その際、最初に削られるのが、調査費や広告費・販促費だろう。そもそも調査研究費自体そんなに大きな割合を占めているわけではないのに(から・・・かも)。

不況期に調査費等が削られるのはまあ仕方がない。企業としてどうしようもない不況という時期を乗り切るための防衛手段だ。

一方、競争が激化してくるとそこでも真っ先に抑えられるのは調査費の類だ。業績を維持しなければいけない点は同じだが、その原因は全く違う。競争が激しくなるということはそれだけマーケットの分析をしっかりしなければいけないということであり、本来は調査費を増やすことはあっても減らすことは考えにくい。

しかし少なくとも僕の周りでは競争が激しくなったことを名目に調査費を年々削っているクライアントが多い。本当にこれでいいのか。

このようになるのは、シンクタンクの側にも問題があるだろう。簡潔に言ってしまえば、その調査費に対して本当にクライアントの役に立つ情報を提供できているのかということに尽きると思う。

競争が激しくなり、市場調査のニーズが本来高まるはずなのにそこで市場開拓がうまくできないというのは、クライアントが納得するような成果物になっていないということなのかもしれない。

考えてみれば、以前はちょっと予算が年度末であまったから調査でもしてみようか・・・と言って受託したプロジェクトと競争が厳しい中、発注されたプロジェクト・・・同じ契約金額でも求められるアウトプットの水準は格段に違うだろう。

われわれはそういうクライアントの状況の違いも分かっているのだろうか?以前のプロジェクトも今のプロジェクトも同じように対応していないだろうか・・・と、こういうことを言うとそんなことないということを良く聞くが、でもそのあとで話しているとやっぱり以前のプロジェクトと同じような姿勢でやっているんだよね。

シンクタンク業界は、競争が激しくなる今後ますます必要とされなければいけない存在だと思う。しかし、それに答えるには世の中の状況もクライアントの状況も変わってきている今日、シンクタンクも変わらなければならないのは当然だ。それを10年前のと同じやり方を踏襲してどうにかしようとするところに無理がある。

商売の基本に立ち返り、新しい時代にあったシンクタンクのあり方を考えるべきだろう。それは既存の大手シンクタンクの真似をすることでは決してないはずだ。

ふぅ、久しぶりに長文になりました^^

たぶんねぇ、情報の時代が来るかどうかは別にしても、今までの社会システムが大きく変わる時代に来ているのだと思う。その中で生き残るにはどうするか?

答えは簡単・・・新しい食い扶持を探すのみ。コスト節約的な行動は自らを滅ぼすことになる。KDさんの言うとおり縮小均衡はありえない。

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