日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

竹中氏の行動・・・ICT改革の行く末

竹中大臣が、総務大臣の辞任と同時に、参議院議員の任期を半分以上残して辞められるそうな。

「自分の仕事は小泉さんを補佐することなので、小泉内閣がなくなる9月末で自分も議員辞職する」とのこと。議員として政策を作る立場からコミットし続けるという道もあったと思うが、改革への抵抗勢力とのバトルに疲れ、その未来に悲観したというところだろうか。

今後、ICT産業は2010年へ向けて新たな制度改革が本格化してくる時にそのきっかけを作った人が政治の世界から引き下がってしまうのは何とも残念だ。誰も同士がおらず、議員として見守っていくことに何の意味も見出せなかったということか。

一方、ICT産業の改革は小泉さんや竹中さんが居なくなっても行われるであろう。ICT産業は今、その存在感を増し、

従来からこの分野の制度改革には必ずNTTの経営形態論がその論点の中心としてあげられてきた。これまでは競争政策上その市場メカニズムを活用する観点からその独占性をいかに排除するかに関して議論されてきた。今回はその最後の聖地に関して、

  • 光アクセス回線の開放をどうするか、かつ
  • ブロードバンド設備競争をもたらすにはどうするか

という2点に絞られ、議論されることになる。アクセス回線の開放と設備参入へのインセンティブ付与は相反する政策であり、今回の改革の一つのポイントになると考えられる。何でもかんでもNTTを切り分ければ問題が解決するというような軽はずみな議論にならないことを祈りたい。

KDDIソフトバンクを代表とするNCCの人達が、すぐにNTT解体論を述べるその背景をようく考えてみるべきだろう。過度な競争促進が結果として何をもたらすか・・・冷静に議論することが必要だ。

同様のことはNHKを中心とする放送産業の改革にも言える。単にNHKへの割り当て電波を増やす減らすだけの議論ではなく、将来のコンテンツ産業をどうするのかという視点からの議論が必要だろう。

さらに現在のWebベース技術を中心とした今後の情報通信技術に対する開発インセンティブの付与、ベンチャー市場の育成、人材の確保など、これからは技術オリエンテッドな企業がこの産業にどれだけ参入してくるかが鍵を握ると考えられ、この分野に関する課題は盛りだくさんであり、優先順位が高いと考えられる。

通信料金は定額制が定着し、市場規模の大きさは限界がある。それではICT産業を成長させるにはどこを伸ばす必要があるのか・・・電話時代の通話料市場、現在ではコンテンツ市場をいかに伸ばすかが大きなポイントになるということだ。

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