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大好き! 人形町「喜寿司」2

さて、本日の晩飯は久々の喜寿司さんでした。

5時過ぎに席があるか、予約の電話を入れ、5時30分には喜寿司さんのカウンター。今日は入ってすぐの角の席に陣取りました。ご主人である油井さんの握りで食べさせてもらうためです。いやなに山岸さんの握りでも美味しいのです。ただ今日は油井さんの握りで食べたかっただけです。

さて僕たち(ちなみに今日は奥さんが一緒でした)が入った時にはすでにご年配の夫婦づれの方がいて、ほぼ召し上がり終わるぐらいでした。そのご主人は着流し?をうまく着こなして何か伝統芸能系のお仕事をされている方かと思った次第です。

そのご主人と油井さんの会話で面白かったのは、こんな感じですか・・・

ご主人:「寿司はうまいんだけど、腹いっぱい食べるとその味がどっかへ抜けちゃうんだよね」
油井さん:「そうですねえ」
ご主人:「だから腹八分目ぐらいがちょうどいいんだよなあ」
油井さん:「そうですけども、それだと私どもも大変ですので、なるべくおなか一杯召し上がっていただいた方がよろしいんですけどね」(笑)

ってな感じで、これから刺身等をつまんで寿司をたらふく食べようと考えていた私にとってはちょっと耳がこそばゆい会話でした。ただ、あとでこの会話の正しさを思い知らされるのですが・・・

さて、付け出しは烏賊とタラコの和え物でそれをつまみながらキリン・ビールを一本。やはり、美味しいですね。キリン・・・苦味がいいです。しばらくしてから油井さんに「つまみを含めてお任せでお願いします」と言って本日の本番へ突入です。

最初は刺身の盛り合わせから、カツオ、鱸、小鯛、車えび、蛸、とこぶしと豪華6点盛です。やはりカツオですか。おいしいですね。ビールのあとは、菊正宗を常温でいただきました(本日は最終的にお銚子6本ぐらい・・・昨日の今日で呑みすぎですか)。これがまた合うんですね、刺身と。僕はいろいろ地酒を呑みますが、地酒だと個性が強くて、刺身の味を半ばころしてしまうところがありますが、その点、菊正宗は辛口で刺身の味を引き立てるように控えめで、出すぎずいい感じです。

刺身の盛り合わせを食べ終わったところで、「もう少しつまみますか」といつものとおり聞かれますので、当然「もう一品、お願いします」と頼みます。今日はマグロの血合いの部分を漬けにしてあるものを焼いて出してくれました。出すときに油井さんが「これは骨がありますから、もう手で直接食べてください。その方が美味しいですよ」と言ってくれたので、当然、手で持ってパクッといきました。舌触り、味加減、いい感じですね。もう酒が進んで進んでしょうがないって感じで、お銚子を頼んでしまいました。

さて、いよいよ握りです。今日お任せで最初に食べたのは、まぐろの赤身、あおり烏賊、中トロ、ミル貝、なめたガレイ?のエンガワ、詰めつき穴子、車えび、鯵が最初の8貫です。酢飯は小さめ、ふんわり握ってあって口の中に入れるとほろっと崩れる感じが絶妙です。「刺身とご飯、否、酢飯ってどうしてこんなに合うんだろう」、「日本人に生まれてよかったね」などと訳の分からない会話をしながら、堪能していました。

さて8貫食べ終わると、あとはお好きなものをどうぞとなります。今日は、その後、穴子(塩、2回)、コハダ、鮑、煮烏賊、ウニ、玉子、干瓢巻(山葵入り、抜き各々1本ずつ)、おぼろ海老、おぼろ玉子とまあ頼みました。われながらこうやって書いていて「よう食べるわ」とあきれ返りぎみです。今日、この中でも美味しかったのは穴子の塩ですかね。

それから油井さんの職人としてのある一面が垣間見れたのが、おぼろ海老を頼んだとき、「普通に握っていいですか?」と聞かれたので「はい」と答えました。でも油井さん、握り始めながらぶつぶつ言ってます。「このまんま握ったんじゃ面白くないな。」しばし天井を見て、何か思いついたらしく、おぼろ海老とおぼろ玉子で一つずつ握らせてもらいますとなって、布巾で形を整えながら握ってくれました。鞠のようなかわいいお寿司です。ちょっと目で楽しんだあと、各々二つに切ってもらって、堪能させてもらいました。

とまあ、こんな具合で今日は食べも食べたり19貫でした。

さて、その後、三越高島屋を回って帰ってきたわけですが、おなかはパンパンです。ちょっと歩いただけでは腹ごなしにもならない。ふーって感じで、思い出されたのが最初の和服のご主人の腹八分目という話でした。

本日は〆て42525円でした。

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